湯煙と詩と人情と

北海道は真夏一過の朝です。
昨日までの3日間真夏のような気温が続きましたが、
今日から暑さはいったん和らぎ、
週末にかけては4月並みの気温になるところもあるようです。


ふ~む、確かに今朝の朝日は昨日までの真夏の勢いは控えめな感じ。
長期予報では今年に夏も猛暑になりそうとのことですから、
まあ、この3日間はちょうどよい真夏のリハーサルになったかも。
うふふ、我が家の冷蔵庫もビールとアイスの在庫は完璧になりましたよ(笑)

さて、夏の暑い日も、銭湯ですっきりさっぱりするのもまた一興。
昨日6月3日(水)コメンテーターとして出演させていただいたHBC「今日ドキッ!」では
シリーズ企画「芸人あとむとゆく~残したい銭湯・第8弾 神宮温泉編」が放送されました。
おじさんキャラで人気の芸人あとむさんが今回訪ねたのは札幌市中央区の老舗銭湯。

円山公園エリアにある「神宮温泉」は創業56年、現在は2代目の女将さんが切り盛りしています。
北海道神宮に近いことからその名がついたと思われますが、ロビーに入ると大量の鳥さんがお出迎え。
先代のご主人が作った精巧なバードカービングの作品群があちらこちらにあって、
まるで神宮の森にいるみたいで癒されます。

お掃除の行き届いた浴室は天井が高く、大自然をダイナミックに描いたペンキ絵が奥行きを与えています。
さらにお互い心地よく入浴できるようにと様々なお願いが貼られていました。
謎の?「銭湯体操は15分以内に」とか、サウナ室の前には「次の人のために乾いたタオルをしいて使っ下さい」
「水風呂は一度シャワーで汗を流してからお入り下さい」などなど。

そうだ、銭湯は、自分ちのお風呂とはちがう。
「石鹸の泡を飛ばさない」「お湯をかけるときは静かに」などなど大きなお風呂のマナーは銭湯で学んだものだ。
その教訓からか、今でもジムのお風呂の浴槽に入るときも、じゃぼん!と入らずに、
つま先からそっと、ノースプラッシュで入水するようにしている(笑)

神宮温泉には詩人田村隆一の詩が掲げられているらしい。
「銭湯すたれば人情もすたる 銭湯を知らない子どもたちに集団生活のルールとマナーを教えよ
自宅にふろありといえども そのポリぶろは親子のしゃべり場にあらず、ただ体を洗うだけ
タオルのしぼり方、体を洗う順序など基本的ルールは誰が教えるのか
われは、わがルーツをもとめて銭湯へ」

詩人は、銭湯が大好きだったのでしょうねぇ。
そして銭湯で人との語らい、触れ合い、その時に大切なお互いの思いやりを学んだのだろう。
人として大事なことを教わったその場は「わがルーツ」であると。
最近ゆっくり話せていないなぁと思ったら親子で銭湯に行くにもありかもしれない。

札幌市内の銭湯はピークの1970年代には270軒ありましたが、家庭内風呂の普及や施設の老朽化、
後継者不足、燃料高騰などの影響で現在は26軒にまで減少しています。
でも銭湯シリーズを見ていると、残された銭湯はどこも個性的で味わいがあって、学びがある。
そう、人生で大切なことは銭湯で学べるんだ。

今月1日から9月30日まで札幌市内26軒を回るスタンプラリーも始まっています。
安らぎと、癒しと、学びと、つながりのあるあったかコミュニティ。
銭湯には今の時代に欠かせない大切なものが詰まっている。
湯煙と詩と人情と。詩人も惹かれる大事な場所だ。


ご近所の遊歩道の花壇。
初夏の花々が咲いていた。
銭湯の帰り道、花を愛でるのもいいな。
残したい場所。