リスペクト
痺れた。
感動した。
声が枯れた。
6月15日朝5時、心は北中米に飛んだ。

FIFAワールドカップ20261次リーグF組 日本代表対オランダ戦の試合開始。
選手たちがピッチに姿を現した。
10番堂安選手はじめ日本代表選手は全員引き締まった素晴らしい表情をしていた。
前日からこの時間に合わせてコンディション調整をしていた私も選手でもないのにめちゃ緊張した。

ダラスのスタジアムは屋根付きで空調完備、緑の芝の状態も素晴らしく、
日本の日の丸とオランダのオレンジの国旗がピッチによく映える。
両国国家斉唱、君が代を歌う森保監督の目には涙が浮かんでいた。
8年間かけて作り上げてきた初戦、感情が高ぶるのも当然だ。
主審のホイッスルが鳴ってキックオフ!
前半はお互いリスクを冒さず、チャンスを作りながらも0-0のドロー。
後半開始早々の51分、オランダがセットプレーから警戒していたファン・ダイク選手にゴール、
先制された6分後の57分、久保選手からの折り返しを中村選手が右足を振りぬき同点ゴール。
「よっしゃー!!!」
早朝のリビング、テレビの前で一人で雄叫びを上げる。
しかし、オランダはすかさず反撃。64分にサマーフィル選手のゴールで2-1とリードされ。
67分には久保選手が相手との接触で左膝を痛めて、FW小川選手が投入される。
試合終了間際の89分、CKからその小川選手のヘディングシュートが鎌田選手の頭に当たって、
オランダのネットに吸い込まれ、2-2の同点になる。
「よっしゃー!!!!」
本日2度目の渾身の雄叫び。
激闘の試合はこのまま2-2の引き分けとなり、日本は勝ち点1を獲得、負けなかった。
いやぁ、痺れた、先制されて追いつき、また勝ち越されて、またまた食らいついて同点にする。
日本は、諦めない、粘り強い、ピッチの選手もベンチも観客もテレビの前の人々もみんな頑張った。

世界ランク8位の強豪国を相手に世界ランク18位の日本が挑んだこの1戦。
過去の日本だったら格上に先制されたらガックリ、そのまま追加点を許してしまう展開がありましたが、
今の日本代表選手のメンタル、実力は本当に底上げされていると実感しました。
点を取られても誰もうつむかない、ピッチで輪を作ってお互いを鼓舞、修正を繰り返し、巻き返す力がある。
試合後の森保監督の言葉が印象的でした。
「(僕たちは)想定外も想定して、現実を乗り越えて戦っていく」
サッカーは足でボールを操る難しいスポーツ、ミスはつきもの、想定外の連続だ。
ゲームの途中に「想定外だった」なんて言い訳しているヒマはない。
想定外も想定して、目の前の現実を受け入れ、修正して、乗り越えていくしかないのだ。
とてもいい試合だった。
オランダも日本もお互いをリスペクトして戦っていた。
オランダは格下相手をいなすようなプレーは一切なく、日本にも「萎縮」の二文字はなかった。
お互いがよく走り、よく体をぶつけ合ったが、ファールの少ないクリーンな試合だった。
ちなみに日本はファールはゼロ。
平均身長で5cm以上上回る屈強なオランダ選手とフォールを侵さずに対峙したのは素晴らしい。
戦術と予測、瞬時の判断の早さ、日本代表のレベルの高さを物語る数字だ。
駆け引きや時には狡さも必要なスポーツだけれど、サムライは正々堂々とフェアに守り切った。
世界最高のサッカー選手が集うワールドカップ。
お互いをリスペクトする試合は清々しい。
2-2だけれど、勝ったような高揚感がある。
さあ、中5日でチュニジア戦、私もコンディション調整しなければ(笑)


