初夏のクリスマス
最東端で桜咲く。
一昨日6日、根室でチシマザクラの開花が宣言されました。
昨年より6日、平年より10日早く、1960年以降のデータでは2番目に早い記録。
日本列島の季節は春から初夏へと踏み出しました。
街中やご近所の花壇も春から初夏への花々が一斉に咲きそろい、まさに百花繚乱。
チューリップ、ムスカリ、赤や黄色、紫にピンク、
心地よい季節の到来を笑顔で謳歌しているようなお花たちにうっとりしてしまいます。
そんな5月の花壇に、ひときわ、心を惹かれるお花が咲いていました。

「クリスマスローズ」です。
そっとうつむくように可憐な花を咲かせていました。
何か想いを秘めているような様子は可愛らしくもあり、すこし寂しげでもあり、
思わず、足を止めて、お花たちを見つめてしまいます。
「クリスマスローズ」はキンポウゲ科ヘレボルス属の一つで
12月に花を咲かせる「ニゲル」という品種につけられた名前です。
花の形がバラに似ていてことから「クリスマスに咲くバラ」という意味でつけられた名前ですが、
あれ?今、5月、初夏だよね?クリスマスじゃないのに、咲いてるの?
実はニゲル以外の多くのヘレボルス属の品種はクリスマスの時季には開花しません。
本州では2月から4月、東北や北海道では4月から5月が開花時期なのです。
可憐な姿が人気の園芸品種としてニゲル以外の品種も「クリスマスローズ」と呼ばれ、
花壇やガーデニングでよく植えられているのですね。
雪の降らない春から初夏にかけて咲く「クリスマスローズ」。
このお花にはキリストにまつわる神話も語り継がれています。
キリストが誕生したその日、マデロンという羊飼いの貧しい少女が聖母マリアのもとへ祝福に訪れますが、
何か捧げ物をと思うも、季節は冬。1輪のお花すら見つけることができなかった症状は涙を流します。
すると・・・少女の涙は種となって、芽が出て、
やがてバラのように美しい純白の「ニゲル」を咲かせたのでした。
清楚で可憐なクリスマスローズが人々に愛されるわけが偲ばれるお話です。
愛らしくうつむくお花たちは、初夏のクリスマスの訪れをそっと告げているようです。

クリスマスローズには
「追憶」「私を忘れないで」「私の不安をとりのぞいて」と
うつむくように花を咲かせる姿からちょっと切ない花言葉がついていますが、
大丈夫、「いたわり」という花言葉もありました。
クリスマスローズの香りは心を慰め、不安を和らげるともいわれます。
寒く長い冬をじっと耐えて、初夏に花咲く可憐な花。
うつむく姿は、きちんと足元を見つめて、しっかり大地に根づく力強さの表れかもしれない。
初夏のクリスマス、なんだか、幸せな気分になる。


