初夏のはにかみ草

あでやかで香り高く美しいお姿なのに
夕方になると、そっと花を閉じてしまう。
花言葉は「はにかみ」
この季節のお花屋さんの主役です。


その名は「芍薬」。
ご近所のお花屋さんに色とりどりのあでやかな花が並んでいました。
一瞬で目を奪われて、鮮やかな濃いピンクと淡いピンクの2色を買いました。
幾重にも花びらを重ねた大輪の花の姿は見る者を魅了します。


淡いピンク色の芍薬。
まんまるい蕾は手毬のように愛らしく、少しずつ咲き始める様は少女が美しく成長するようにも見えます。
「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」と言われる所以がよくわかります。
同時に芳醇で高貴なその香りにもうっとり。

「芍薬」はボタン科ボタン属の多年草。
名前の由来はしなやかで優しい姿かたちを意味する「綽約(しゃくやく)」という言葉。
また「顔貌がよい」と言う意味で「貌佳草(カオヨグサ)という別名もあるそうで、
あまりに美しくあでやかな花姿、思わずどストレートなネーミングになっちゃうのもわからんでもない。

シベリア・中国・モンゴルなどアジアが原産で、日本には平安時代以前に中国から薬用として伝来。
茶席の際に飾られる「茶花」としても人気を集め、江戸時代には品種改良も盛んに行われ、
18世紀にはヨーロッパにも伝えられ、イギリスやフランスなどで豪華な大輪の品種が造られるようになり、
今、お花屋さんを彩る八重咲き、バラ咲きなどのあでやかな芍薬は主に洋シャクヤクが多いようです。

豪華絢爛な芍薬の花言葉は「はにかみ」「恥じらい」。
夕方になると花を閉じてしまう習性があることに由来しています。
英語名は「Peony」、英語の慣用句「blush like a peony」は「芍薬のように真っ赤に染まる=恥ずかしがる」という意味。
ピオニーはめっちゃ、とびきりの美人さんなのに、頬を赤く染めるはにかみやさんなのですね。


あでやかで、はにかみやさんの芍薬は現在でもメジャーな漢方薬。
葛根湯や大柴胡湯といったおなじみの漢方薬にも配合されています。
優れた薬効から花の名前に「薬」という漢字が用いられているわけですね。
白い芍薬を眺めていると心身が癒されてくるような気もします。

「お水はたっぷりあげてくださいね」。
お花屋さんが芍薬の取説書とともに声をかけてくれました。
やっぱ、美人は、お水をたっぷり摂るのね~。
初夏のはにかみ草、いつまででも眺めていられます。

★★★本日5月20日(水)HBC「今日ドキッ!」にコメンテーターとして出演させて頂きます。
風薫る五月、どんな話題に出会えるのか、今日もわくわドキドキで行ってきまーす!