京阪巻き

初夏です。
札幌はリラの花咲く季節。
お花屋さんにはあでやかな大輪の芍薬の花が咲き誇っています。
山も森も街も公園も百花繚乱の季節になりました。


お花に負けじと食卓も華やかな色どりが欲しくなります。
ということで、近頃、作る機会が増えてきた一品がこちら。


「だし巻き卵」であります。
江戸の甘めの玉子焼きも好きですが、春から初夏の季節は、だし巻きに惹かれます。
菜の花など黄色の花を思わせる美しい色合い。
だしの香りと優しく上品な味わいが、たまりません。

江戸の玉子焼きは鰹だしに醤油や砂糖を加えたしっかりした甘辛な味わいで
歌舞伎見物の幕内弁当に欠かせない定番おかずは東京都の郷土料理です。
一方「だし巻き」は京都の伝統的な郷土料理。
昆布と鰹のだしを利かせて卵の色そのままに仕上げるのが特徴です。

京都市内には長い歴史をもつだし巻き専門店がいくつもあり、
京の台所である錦町市場の有名なだし巻き専門店で「これ下さい」と買い求めると
お店の人が「切りますか?」と一口大に切って渡してくれて、店先で頬張ったのも
京都旅の美味しい思い出であります。

この卵色が美しく、おだしがじゅんと染み渡るだし巻きには、二つの流儀があります。
卵液を流し入れ、手前から奥へと巻くのが「京巻き」、
反対に奥から手前に巻くものは「大阪巻き」と呼ばれます。
京都と大阪で焼き方、ちがいますえ、ちがいますねん。

「京巻き」は手前から奥へと巻くことで卵の重力がかかり、だしをしっかり閉じ込められる、
一方、奥から手前へ巻く「大阪巻き」は巻きやすく、手早く作れると言われます。
京都方式か、大坂方式か、
京都人、大阪人にとっては、お互いプライド高いからねぇ、こだわっていそうな気もする。

さて、我が家のだし巻は京巻きか大阪巻きか・・・?
いやいや、だって、素人ですさかいにな、だし巻きをうまく作れるかが、まず大問題。
ゆえに、フライパンに卵液を流し入れ、まずは奥から手前に巻き、空いたスペースに卵液を入れ、
今度は手前から奥へと巻き、それを何度か繰り返すのでいっぱいっぱい(笑)

だし巻が割れないように、焦がさないように、きれいに巻くのが一大ミッション。
ゆえに、奥から手前、手前から奥を繰り返す、
つまり、「京巻き」と「大阪巻き」のハイブリッド方式なのだ。
名づけて「京阪巻き」(笑)

少々形が崩れても、熱いうちにペーパータオルで何重にも巻き巻きして補正すればOK。
我が家の「京阪巻き」、これ、おススメ。
京都も大阪も大好きだしね♪
初夏は、京阪巻き。