うりずん沖縄旅⑥~天国の家
桜前線ご一行さま、本格的に北海道に上陸です。
昨日4月18日、札幌、函館、帯広で桜開花が発表されました。
いずれも平年、昨年よりも共に10日から14日ほど早い開花で、
今年の桜前線、ハイスピードで津軽海峡を横断、北の大地に春満開です。
先週末、北上する桜前線を飛び越えて2泊3日で訪れた「うりずん沖縄旅」その⑥。
一年で一番過ごしやすい「うりずん」の季節、いつもより気温も湿度も高めで、
沖縄も桜前線と同じようにいつもの年より季節が2週間ほど早く進んでいるようでした。
1日目の夜は宜野湾市の加藤食堂で美食を満喫、2日目の朝は那覇のオハコルテで絶品朝食を楽しみ、
この秋に復元工事が完成する首里城を訪れ、沖縄戦の史跡「一中健児之塔」で平和を祈りました。
首里の城下町で伝承二百年「新垣カミ菓子店」で琉球王国時代からの琉球菓子を買い、
再び夫が運転するレンタカーで沖縄本島中部エリアをドライブしていた時のこと。
車窓から沖縄らしいものを発見しました。
大きな大きな立派なお墓です。

石材店に沖縄独特のお墓「亀甲墓」がずらりと並んでいたのです。
沖縄を旅していると突如一戸建てくらいの巨大な亀甲墓に遭遇したり、山肌に古い亀甲墓を目にすることがありますが、
新品のお墓が並んでいるのなかなか壮観。
大きなお家のようなお墓は台湾や中国福建省などでも似たようなお墓がみられるようですが、
沖縄の歴史文化を感じられるものの一つですね。

沖縄のお墓には「亀甲墓」と「破風墓」の2種類があり、いずれも琉球王朝時代に王家が建てていたお墓です。
1897年の明治政府による琉球処分により琉球王国の時代が終わりを遂げ、
その後、一般庶民にもこれらのお墓のスタイルが広がっていったのでした。
家の屋根のような形をした「破風墓」は歴代の琉球王国王の墓「玉陵(たまうどぅん)」の形、
もうひとつが、こちら、屋根が亀の甲羅のように丸い曲線を描く「亀甲墓」です。
さて、この立派な亀甲墓、はたしてお値段は、How much?
石材店に並んでいる商品ゆえ、価格が書いてありましたよ、297万円。
天国のお住まい、しかも立派な一戸建てのお値段と思えば納得の価格かもしれません。
この天国のお家で青い海を眺めて暮らすのはなかなか快適そうですもの。
その昔沖縄では洞窟や岩陰に安置する風葬の歴史があり、洗骨されたのちに、
「厨子甕(ズーシーガーミー)」と呼ばれる沖縄独独の大きな骨壺に納められ、墓に置かれるため
亀甲墓や破風墓は広いスペースが必要だったので大きなお墓になったとされています。
現在もその歴史から4畳以上の広さを持つお墓が多いそうです。
大きな亀甲墓の前も広いスペースが設けられていて、
清明(シーミー)やお盆の時などは家族みんなでご先祖さまをお迎えする宴を催す姿がみられます。
厨子甕には小さな穴が二つ開いていて、一つはご先祖様がこの世に帰ってくるときに通るもの、
もう一つは天国に戻る時に通るためのものだといわれます。
お骨を納める厨子甕も、それを納める大きな亀甲墓も、いつもオープンに開かれていて、
この世とあの世とがゆるやかにつながっている。
清明やお盆にはご先祖さまと一緒に食べたり飲んだりできる場所。
沖縄の生者と死者の温かなつながりの形を表す大きなお墓。
そんな天国の家、素敵だと思う。


