うりずん沖縄旅⑤~伝承二百年

梅雨入り前の沖縄は一年で一番過ごしやすい「うりずん」の季節。
先週末2泊3日で訪れたうりずん沖縄旅リポートのその⑤は伝統の琉球菓子編。
1日目は宜野湾市の加藤食堂で美食を満喫、2日目の朝はオハコルテベーカリーで絶品朝食を堪能し、
今年秋に完全復活を迎える首里城を訪れた後は沖縄戦を知る史跡「一中健児之塔」で手を合わせました。

琉球王国から沖縄県へ、そして「鉄の暴風」と呼ばれる凄まじい米軍攻撃に見舞われた沖縄戦。
沖縄を訪れるたびにその歴史と直に向き合い、知り、感じる機会があり、いつも心が動きます。
幾度の焼失の悲劇から復興してきた首里城は琉球王国の豊かな文化を今に伝える世界遺産。
その歴史、文化は美味しい形でも受け継がれています。

首里城から坂道を下った城下町に佇む「新垣カミ菓子店」です。
およそ200年前の琉球王国時代王府の包丁役(料理方)を拝命されていた5代目前の父祖、
新垣親雲上淑規(あらかきぺーちんしゅくき)が開祖の伝承二百年の琉球菓子舗であります。
沖縄に来るたびに必ず立ち寄るお店で、今回もカーナビに従ってレンタカーで行き着いた目的地、
あれ?依然と違う外観、そういえば場所もちょっと違っている?


あらら、なんか、ちょっと立派になってる?
以前は入り組んだ住宅街の細い道に菓子工場の中に小さな直売所があって、
木の古い看板がなければ通り過ぎてしまうような佇まいだったのですが、
大きな道の角に白い外観、大きな看板もあって、お菓子屋さんらしくなっている。

「ここだよね?新しく移転した・・・んだよね?」と
レンタカーを停めて、お店の正面に回ると、
おおお~、ガラス越しに女性の職人さんがせっせと琉球菓子を作っているのが見えました。
卵色の生地に包丁で切りこみ細工をして美しい花型の紋様を作り出しています。


これは「花ボール」ですね~。


「花ボール」は卵黄、砂糖、小麦粉の生地を花の形に細工して焼き上げた琉球菓子。
卵の風味が優しくて、上品なソフトクッキーという感じ。
この景色、お菓子の焼けるいい香り、良かった、間違いない、新垣カミ菓子店だった。
店内に入ると大きなテーブルに個包装された金楚餻(ちんすこう)、薫餅(くんぺん)花ボールがどっさり山積み、

新垣カミさんのご子孫(かもしれない)妙齢の女性がテーブルの前にどっかり銭湯の番台のごとく陣取り、
ご近所のおばあをお茶飲みの真っ最中でしたが、
「はい、いらっしゃい」と笑顔でお出迎え。

いいなあ、この気取らない雰囲気、沖縄の親戚の家に帰ってきたような温かい感じ、
焼失前の首里城の鎖之間で提供されていた伝承二百年の琉球菓子舗なのにめちゃ敷居が低い感じがいいの。
「なにしますか?ちんすこう、くんぺん、花ボール、何個でも詰めるよ、3個でも10個でも」
箱入りもあるのですが、直売所モードは移転しても変わらず、嬉しい。

「じゃあ、くんぺんと花ボール12個ずつとお徳用ちんすこう2袋下さい」
ちんすこうがどっさり詰まったお徳用袋、見逃せません。
沖縄みやげの大定番ですが、数あるちんすこうの中で、野宮的にはここのがベスト。
由緒正しき伝承二百年の琉球菓子、ひと味違うのよね~。

「はい、ありがとね~、また来てね~」
新垣カミさんの末裔にしか思えないどっかり貫禄のある女性に見送られ、
「はい、また来ま~す!」とお店を後にするのでした。
琉球王国の歴史と伝統を今に伝える新垣カミ菓子店は、
また帰ってきたくなる温かさに満ちている。
これだから、沖縄が、好きなんだ♪


伝承二百年「新垣カミ菓子店」の琉球菓子
金楚餻(ちんすこう)、薫餅(くんぺん)、花ボール
琉球王国の豊かな食文化を伝える歴史スイーツです。