雛ご一行様
3月3日です。
上巳の節句、桃の節句、おひなまつりです。
なのに、本当に、ごめんなさい。
日々の雑事に追われて、なんと当日となってしまいました。

我が家の雛ご一行様。
今朝、あわてて、飾った私をお許しくださいませ。
昨日は免許更新だったりね、なんだか、色々と慌ただしくてね、
本当に、ごめんなさい。

金の屏風の紙雛さま。

藁のお船に乗っ流し雛さま。
子どもの厄や穢れを川に流す「流し雛」は平安時代から続く伝統行事でひな祭りの起源とされますが、
あまりに愛おしくて流せない、
ずっとお家にいてもらっています。

愛らしい豆雛さま。
親指の爪ほどの小ささが、いとをかし。
何十年も前に銀座のお店で一目惚れしてお家に連れ帰ったんだったなぁ。
小さくしっかり握りしめた男雛さまの両手に、きゅんとする。
お雛様は、大きさ、形、造作に関わらず、どれもみな愛おしい。
子ども時代の七段飾りのお雛様も、紙雛も、流し雛も、豆雛も、みな心惹かれる。
「上巳の節会なればとて、白酒、いり豆などとゝのへて一同祝う」
今朝の「天声人語」が樋口一葉のひな祭りの記憶を取り上げていました。
豊かではない小さな手狭な家に家族が集まると
「優優たる春の光、春の匂ひの、身にも心にも家のうちにもみち渡りたる」と一葉は書きました。
本当に、ひな祭りは、特別な力があるような気がします。
お雛様がそこにあるだけで、空気がふわりと柔らかくなる。
春の光が降り注ぎ、春の匂いがして、ぽかぽかと心も体感温度も温かくなるのだ。
お雛様には魔法の力がある。
ふっと時空を超えて幼き頃の弥生三月にワープしてしまう。
しんと静まり返えり、まだ少しひんやりする奥の畳のお部屋に赤い毛氈の段飾りのお雛様たちがいる。
一番上のお内裏様の気高い美しさ、三人官女の可憐さ、個性豊かな五人囃子、頼もしい右大臣、左大臣、
金襴緞子のお道具、右近の橘、左近の桜・・・・今でも記憶にはっきり刻まれています。
今に例えれば、お内裏様はまるで、りくりゅうペア、三人官女はPerfume。五人囃子はBTSか。
幼き日のおかっぱ頭の少女にとって、お雛様たちは、憧れのアイドル、でもあった。
3月3日、ひな祭り。
毎年、不思議な魔法にかかる素敵な日なのだ。


