美しい泉
きゅっ・・・肌の表面が思わず緊張しました。
今朝の札幌の最低気温は5.4℃、ほぼ冷蔵庫の温度と同じくらい。
道内各地も冷え込んだ朝となったようで、旭川、名寄、北見では氷点下の気温、
紅葉のスイッチが入るのは最低気温8℃だそうですから、秋が深まりそうです。

今日の札幌の日の出は午前5時46分。
ほぼ同じ時刻の東の空、ビル群の向こうからオレンジ色の朝日が昇りはじめていました。
オレンジから金色、やがて明けはじめたペールブルーへとグラデーションを描く空が美しい。
朝は冷え込みましたが、日中は気持ちよい秋晴れとなりそうです。
さて、先日、沖縄から帰省した息子夫婦を迎えての家族ディナーも和やかに美味しく進み、
おなかパンパン、と言いながら、dessert=デザートの時間となりました。
多分、きっと、みんな満腹となることをあらかじめ想定して(笑)、
おなかいっぱいでも、不思議にはいっちゃう魔法のデザートを用意しました。
「Fontaineblesu=フォンテーヌブロー」。
フランスの郊外イル・ド・フランス地方の地名フォンテーヌブローにちなんだ郷土菓子で
フロマージュ・ブランという生チーズとフレッシュクリームなどで作る雪のようなデザートです。
18世紀頃に農家が運んでいた牛乳缶のクリーム分が馬車で揺られるうちに泡立って生まれたとも言われますが、
明確な記録は確認されていません。しかし19世紀にはこの名前が歴史的な文献に記されていて、
フランス料理ではおなじみの人気デセールであります。
今回は敬愛するタサン志麻さんのレシピで前夜から仕込みました。
なかなか手に入りにくいフロマージュ・ブランの代わりにヨーグルトを使います。
ヨーグルトを30分ほど水切り、生クリームにお砂糖を加えて角を立つほど泡立て、
同じような固さにしたところで、両方を何回かに分けて合わせていったら出来上がり。
容器に移して冷蔵庫でしっかり冷やしておきます。

ヘレンドの器に盛り付け、余市のピーチベリーのジャムとブルーベリー、ミントをあしらって完成♪
「Fontaineblesu=フォンテーヌブロー~余市の農園ジャムを添えて」。
真っ白な雪のようなフォンテーヌブローは芳醇なミルクの風味とほのかな酸味が
す~っと軽やかに口の中に消えていき、甘酸っぱいジャムとの相性も最高。
どんなにお腹がいっぱいでも食べられちゃう、魔法のようなデザートであります。
「デザートは別腹」などとよく言いますが、
別腹デザートとしてもっとも対応力が高いのがフォンテーヌブローかもしれません(笑)
それにしても、タサン志麻さんはすごい。材料三つだけ作れるチョコレートムースに続き、
ヨーグルトと生クリーム、材料二つで作れちゃうフォンテーヌブロー、我が家の定番リスト入り決定です。
それにね、「Fontaineblesu=フォンテーヌブロー」という言葉の響きがまた美しい。
元々は「fontaine belle eau=美しい泉」という意味のフランス語が由来で
フランスの歴代の王やナポレオンが愛したフォンテーヌブロー宮殿には
優雅で広々とした庭園があり、美しい森が広がり、隣接するバルビゾン村など
ミレーの「晩鐘」にあるような農村風景が訪れる人々を魅了する場所だそうです。
まだ見ぬフォンテーヌブローの初雪を口にしたようなデザート。
おいしい世界のお料理は、想像の翼でどこまでも旅ができる。
久しぶりの家族ディナーは、イル・ド・フランスの美しい泉が最終地。
C'etait tre's bon♪ 美味しかった、ごちそうさま♪


