未来へ
始まりの春
道は続く
前へ向かって
悩みも問いも
未来へ
4月1日です。
新年度が始まりました。
新しい学校、新しい職場、新しい場所へ一歩を踏み出す季節。
期待と不安に胸膨らませて歩み出す春です。
遠い昔、新1年生だった春を思い出す。
新しい赤いランドセルの革のにおい、
ピカピカの黒い革靴と白いタイツが誇らしくも履きなれず、
なんだか不安な気持ちで入学式を終えて教室に座っていた。
あの時の気持は、大人が言うような「期待」よりも
ずっとずっと「不安」のほうが大きかったと思う。
あまり知らない顔が40人集まった教室は、
後ろの保護者たちからほのかにお化粧の香りが漂っていた。
どきどき・・・誰をどう頼っていいのだろう・・・
おともだちなんて、できるのだろうか・・・
学校って、なにをするところなんだろう・・・
あたし・・・だいじょうぶ・・・?
今はこうしてあの時の気持を言葉にできますが、
当時のおかっぱ頭は自分の不安を言語化もできず、
ただ真新しいランドセルのつやつや輝く赤い色を見つめているしかなかった。
その時、黒板の方から温かなやさしい声が聞こえてきた。
「みなさん、入学おめでとう!
僕は、みなさん〇組の担任の〇△※◇です」
なにせ遠い記憶なので、何組だったのかは定かではありませんが、
その時の担任の先生の名前は、今でもしっかり記憶にあります。
黒髪をきちんと分けて眼鏡をかけた背広姿の先生は
とても誠実そうで、真面目そうで(今思えば)、
とにかく、その声が、温かくでやさしくて、
「なんかお父さんみたい」と
肩の力がほっとほどけたことをよく覚えています。
正確には担任の先生と実際の父とは姿も声も似ていなかったけれど
小さな胸に沸き起こった名前のつかない不安な気持ちを
ほわっと大きな手で包みこんでくれるような包容力があって、
それがきっと「お父さんみたい」と安心できたのかもしれない。
幾つになっても、新しい春は、期待と不安が混在する。
人生には悩みも不安も惑いもいっぱいある。
そんな時、先生の言葉は、大きい。
テレビドラマの中のあの先生の言葉が今も胸に残る。
先日まで放送されていた日曜劇場「御上先生」だ。
文科省から現場に派遣された御上先生は
この国の未来のために、キミたちのために
生徒たちに「考えろ」と言い続けます。
簡単に答えを出すな。
どこかで聞いたような結論でわかった気になるな。
最終回の台詞には、生きるための真理が貫かれていた。
卒業式を終えた生徒たちを前に御上先生は語りかけます。
「君たちの頭の中の答えの出ない質問は、未来そのものなんだ」。
人生をかけて考えるべき答えの出ない質問にぶちあたるだろう、
時に投げ出したくなったり、絶望することもあるかもしれない。
でも、考え続けてほしい。君たちになら、できるよ。
答えの出ない質問に惑い、悩み、不安になることこそ、未来なんだ。
だから、簡単に誰かに頼って、自己決定権を明け渡さないでほしい。
簡単に答えをくれる何かは、疑った方がいい。
答えは苦しみ続ける自分の頭の中にきっとある。
御上先生、そういうことですよね。
幾つになっても
春は巡ってくる。
新しい春が来る。
だから悩み続けよう。
未来に向かって。
御上先生が教えてくれた。
(写真は)
2025年4月1日の朝
まぶしい朝日がのぼる
新しい春、
新しい朝がはじまった


