一言で語る

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桜吹雪

ボロンクセマ

カフネ

一言で語る

あんぱん

短くも雄弁な言葉。

今朝の天声人語がそんな言葉に触れていました。

世界には一言で多くを語る言葉があるといいます。

たとえば「桜吹雪」。

日本語が堪能なオーストラリアの学者が

「桜吹雪」という言葉の魅力を熱く語っていたそうです。

春の花を雪に例えることが疑問だったが、

実際にその景色を見たら、まさにその通りだったと。

乱れ散る桜の花びらが雪のように舞うさまを

美しい音の響きとともに詩的に表現されている。

「桜吹雪」なんと短くも雄弁な言葉だろうか。

多面的な桜の魅力に結びついた素敵な表現の一つであります。

その土地の人々にとって大切な存在と結びつき、

一言で自然や歴史や文化や心情などを語る言葉があるそうです。

たとえばフィンランド語の「ボロンクセマ」。

「トナカイが休憩なしで疲れず移動できる距離」のことで、約7.5キロだとか。

トナカイと深く結びついた北欧の暮らしが見えてきます。

さらに第22回本屋大賞の受賞作、阿部暁子さんの小説「カフネ」。

主人公たちは働く家事代行サービスの会社の社名ですが、

ポルトガル語で「愛する人の髪にそっと指を通す仕草」を表す言葉だそうです。

短い言葉が語る心象風景のなんと広く深いことだろう。

天声人語氏も「カフネ」に惹かれて調べてみると

ブラジルで使う独特の言葉で、植民地時代、アフリカから何百万人もが

奴隷として連れてこられ、サトウキビ農園で働かされた歴史の中で生まれようで、

語源は西アフリカのヨルバ語とされるそうです。

見知らぬ土地で辛い労働を強いられ、疲れ切り、

ようやく身を横たえた寝床で隣に眠る大切な誰かの温もりに触れる。

カフネ・・・愛する人の髪にそっと指を通す。

痛みを分かち、心を通わせ、お互いの命を感じ、明日も生き抜こう。

そんな風景が、浮かんできます。

短くも人々の苦難を雄弁に物語る言葉であります。

一言で、心を揺さぶったり、温めたり、癒してくれる言葉。

ああ、そうだ、朝の連ドラのタイトルも、そうかもしれない。

「あんぱん」。

アンパンマンの生みの親やなせたかしとその妻を描いたドラマですが、

おなかがすかせた人に自分のほっぺをちぎって与えるヒーローは

日本の子どもたちに愛と勇気を与え、傷ついた大人たちも励ましてくれた。

あんぱん。目の前に実物がなくても、その言葉を口にするだけ、

いい匂い、ふかふかのパンと甘いあんこ、食べた時の幸せな気持ちが一瞬で蘇る。

子どもの頃、あんぱんにかじりつきながら喉を潤した瓶の牛乳のおいしさ、

あんぱんが大好きだった亡き父の笑顔も浮かんでくる。

日本人は、みんな「あんぱん」に励まれてきた。

凹んだ時も、あんぱん一つ食べれば、元気が出てくるような気がする。

アンパンマンの顔や、あのアンパンマンマーチも思い浮かんできて、、

なんだか、前を向けそうな勇気が湧いてくる。

あんぱん。

一言で愛と勇気を語る言葉だ。

(写真は)

大吾パンの

「チョコパンマン」

アンパンマンに似てる(笑)