おいしいのひととき

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どんなときも

心を躍らせ

希望を

抱かせてくれる

おいしいのひととき

さつま団子、うどんきんぴら、蒸し南瓜きなこまぶし。

名前を見ただけでも、おいしそう。

温かいお茶を淹れてみんな笑顔で過ごす様子が見えてくる。

それが、たとえ、戦時下であっても。

戦後80年を迎える今年、

先日の新聞でとても印象的な特集記事が載っていました。

「おやつから 平和を思う」。

戦時下のおやつを再現した企画です。

少しずつ戦争の足音が聞こえてくる1930年代は

それでも豊かなおやつが作られていて、

ドーナツやホットケーキ,プリンなど

今とほぼ変わらないおやつが作られていました。

しかし40年代になると砂糖、卵、牛乳などがなかなか手に入らなくなり、

サツマイモやカボチャなど日持ちする配給品に変わっていきます。

戦況が厳しくなった43~44年の新聞紙面では戦時下のレシピが登場。

贅沢は敵と言われた時代でも限られた食材でいかにおいしく作るか、

当時の人々のおやつへの思いを語る貴重な記録です。

1943年10月30日付の「さつま團子」はさつまいもを皮ごとすりおろし、

小麦粉を加えて練ってこね、お湯で茹でたもの。多少傷があったり、

小さなイモも大切においしくしようという創意工夫を感じられ、

ひとつまみの塩がサツマイモの甘さをより引き出しています。

同じ43年7月の「うどんきんぴら」は3cmほどに切ったうどんを油で揚げて、

わずかな砂糖を薄くまぶしたり、カレー粉を振ったおやつ。

白米の代用食だったうどんをおやつとして楽しめるレシピ、

このアイデアは物価高、米高騰の現代でも役立ちそうです。

44年9月掲載の「蒸し南瓜きなこまぶし」は蒸したカボチャに

きなこをまぶしだけの超時短おやつ。食糧不足だけではなく

家事労働に加えて勤労奉仕や女子挺身隊など戦時下の労働に駆り出され、

調理にかける時間も限られていたことも背景になるのかもしれません。

戦時下の日常の中でも、

なんとか「おいしいひととき」を作りたい。

知恵と工夫がこらされた戦時下のおやつレシピには

苦しく困難な時代でも前を向こうとする当時の人々の強さを感じます。

しかし45年に入ると徐々に紙面から料理記事がなくなります。

同年7月には「雑草の食べ方」を学ぶ講習会の記事が載り、

「本土決戦必ず勝つ」などの見出しが目立つようになり、

8月15日終戦。おいしいひとときは、失われます。

おいしいものを作って食べる。食べさせる。

食べる人の笑顔を思い浮かべながらおやつを作る。

「おやつを嫌々作る人はいませんよね」

戦時下のレシピを再現した料理研究家の言葉が心に残ります。

配給品、代用食、限られた食材を前にして

どうやったら甘さを引き出せるか、無駄なく使えるか、

簡単に手間なく作れるか、戦時下のおやつのレシピには

作ること、食べることで少しでも晴やかな気持になってほしい、

そんな思いが凝縮されているようでした。

おやつだよ。

その言葉を聞くだけで

心が躍るおいしいひととき。

おやつには希望が宿る。

★★★本日4月30日(水)HBC[今日ドキッ」に

コメンテーターとして出演させていただきます。

どんな話題に出会えるのか、今日もわくわくドキドキで行ってきまーす!

(写真)

戦後80年

平和で豊かな時代だけど

米高騰、物価高が続く

食材を無駄なく大切においしく

「かぶの葉のきんぴら」だよ