やさしい言葉
大丈夫
見守ってますよ
あわてないで
安心して
やさしい言葉
あらら、三寒四温どころか四寒三温?
弥生三月おしまいの朝、窓を開けたら一面の雪景色でした。
うっすら積もった雪が北海道の春らしいとも言えますが、
冬将軍、なかなかの粘り腰であります。
それでも超朝型人間は気づいています。
夜が明けるのがぐんぐん早くなっていること、
朝の日差しがぐんぐん元気になっていること、
季節の歩みは行きつ戻りつしますが、確実に春近しです。
果物売り場には真っ赤な苺や太陽のような色をした春柑橘が並び、
野菜コーナーには春野菜や山菜がお目見えしはじめ、
雪が解けた花壇に小さな芽吹きを探してみたりと
小さな春を見つけると心がぽかぽかほっこりします。
今朝の朝刊の読者エッセイにも気持ちが温かくなりました。
91歳の女性がバスを利用したある日のこと。
最後に乗ったので、すぐに発車すると思い手すりにつかまっていると
若くさわやかな声がしたのです。
「お座りにならないのですか?」
声の主はバスの運転手さん。
業務上の声かけかもしれませんが、「座ってください」ではなく、
こんな丁寧な言葉を運転手さんから聞くなんて痛み入ってしまったそうです。
また別の日にバス停に向かって歩いていると
30m先のバス停にバスが入ってきました。あれに乗らないと次のバスまで
何十分も待たされると懸命に歩くものの、気ばかり焦って足はモタモタ。
すると突然大音量の声がした。
「いそがないでいいですよ」
見上げるとバスの前方の窓に運転手さんの姿が見える。
「年をとると、まわりの方々の優しさや親切が身にしみます」と
二人の素敵な運転手さんに出会った91歳の女性は綴っていました。
「お座りにならないのですか?」
発車を急ぐために「座って下さい」とせかすことなく、
お客さんの身と心の安全を優先した言葉は
ご当人だけでなく、その場にいた人々にもやさしく響いたはずだ。
バス停に向かって必死に急ぐお年寄り姿を目にして、
すぐさま窓から大声で「いそがないでいいですよ」と声をかける運転手さん、
絶対、誰にもやさしい運転をしてくれるはずだ。
運行ダイヤも大切だけど、思いやりを忘れないやさしさは
安全第一のプロフェッショナルな行動だと思う。
先日、スーパーのレジで会計をしていた時のこと。
セミセルフレジの機械の前で高齢女性二人がまごついています。
操作がうまくいかず二人であれこれやり直しているようで、
レジを打つ男性店員さんも、私も、ちらちら気になっていました。
「お手伝いしましょうか?」と声をかけたいけれど、
私の後ろにいっぱいお客さんが並んでいるし、
お店の人でもないのにお金を扱う会計手続きを手伝うのも難しい、
レジ打ちの青年に「どうぞ、行ってあげて下さい」と言おうとした瞬間、
「すみません」と彼はレジ打ちを中断、
セミセルフレジのお年寄りのところへ向かっていったのだった。
う~む、やさしくなかったな、わたし。
あれこれ、あーだこーだ悩むより前に、言葉をかけるべきだった。
レジ打ちの店員さん以外に困りごとに対応するスタッフもいるけれど、
今、目の前で困っているらしい人を見たのなら、声かけすべきだった。
「行ってあげて下さい」ってお願いすべきだった。
レジ前で私が迷ったのは何秒間の短い時間だったけれど、
「お座りにならないのですか?」
「いそがないでいいですよ」と声をかけた二人の運転手さんは
1秒も迷わず、やさしい言葉をかけたのだもの。
春がくる。
ぽかぽかの春が来る。
いそがないで。あわてないで。
春のような温かなやさしい言葉がある。
(写真は)
春だ
いちごだ
あまおうだ


