スローエッグ

100℃で2分

30℃で2分

8往復で20分

世界最高の

スローエッグ

「完璧なゆで卵の調理法を開発した」

科学誌に発表したのはシェフでも主婦でもありません。

ナポリ大学のエルネス・ディマイオ教授らの研究チーム、

流体力学をもとに白身と黄身のバランスが最高のゆで卵を開発したと

テレビの情報番組や今朝の朝刊でも取り上げられていました。

みんなが好きなゆで卵、ですが、なかなか完璧にはいかない。

長くゆでる「固ゆで卵」は黄身がパサパサニなりがち、

短くゆでる「半熟卵」は白身が完全に固まりにくい。

たかがゆで卵、されどゆで卵、帯に短したすきに長しゆで卵(笑)

卵好きが集まったのかどうかはわかりませんが、

研究チームは舌や鼻などで味などを調べる官能検査や、

核磁気共鳴(NMR)装置などで流体力学、材料科学などをもとに分析、

その結果開発されたのが「周期的調理法」。

殻を破らすに性質の違う白身と黄身を最適な温度で調理する方法。

100℃の熱湯が入った鍋と、30℃の水が入ったボウルを用意し、

卵を2分ずつ熱湯ー水―熱湯―水と移し替え、

8往復32分で最高の完璧なゆで卵ができるのだそうです。

しかもポリフェノールや必須アミノ酸の含有量も通常のゆで卵より多く

熱で損なわれやすい栄養分も残りやすいのが理由らしい。

100℃2分、30℃2分×8往復=32分。

すると・・・黄身はねっとり滑らか、白身もいい感じで固まった、

それはそれはおいしい「最高のゆで卵」ができるのだそうです。

なるほど、理論はわかった、研究結果も信頼に値するものだろう、

でもねぇ、ゆで卵作るのに32分かけられるか?待てるか?わからん(笑)

がしかし、この研究のきっかけになったのは

「一流シェフは卵の黄身と白身を分け、別々の温度で調理して

理想的な食感を実現している」という話を、

ある日、材料科学が専門のディマジオ教授が聞いたことらしい。

外部から温度を調節し、内部の特定の層だけをを高温にしたり、

低温にしたりできれば、硬さや結晶化をコントロールできるかも。

同じ話を聞いても一流シェフの卵を食べたい!と終わらないところが、

研究者の探求心なのでありましょう。

それにしても、32分は時間かかり過ぎでは?

取材で問われた教授はこう答えたそうです。

「最高の味と栄養を持つゆで卵に時間をかけることは

価値があることだと思う」。

ディマイオ教授の言葉を聞いて、思い出した。

そうだ、そうだった、イタリアはスローフード発祥の国だった。

ゆっくり作られたよいものをゆっくり味わおうというライフスタイルは

80年代後半のイタリアで提唱され国際的な社会ムーブメントになったのだった。

最高のゆで卵に32分かける研究がナポリ大学で開発されたのも納得であります。

コスパ、タイパ、なんでもぱっぱと済ませがちな昨今ですが、

100℃2分、30℃2分、8往復32分かけたゆで卵は

ゆっくり、大切なことを語りけているのかもしれません。

スローエッグの言葉に耳をすませてみようか。

(写真は)

我が家のおせちの定番

自家製味つき卵

常温の卵を熱湯に入れ

再沸騰してから5分

たまに、失敗する(笑)