一ポチ啓上
ポチポチ
ポチポチ
短く綴る
大切な思い
一ポチ啓上
願いを込めて一筆啓上。
日本一短い手紙コンクール「第32回一筆啓上賞」の受賞作品が
昨日23日に発表されました。テーマは「願い」。
3万9164通の応募作品から五通の作品が大賞に選ばれました。
「オイッ!」と妻を呼ぶ夫宛て、息子から寝たきりの母宛て、
17歳の女子高生からしんどい時に生きる言葉をくれたイケメン君宛てなど
短い手紙には本当に伝えたい気持ちが飾らない言葉でギュッと凝縮されていて
入賞作品にはどれも心に染み入りました。
なかでも4歳の子の一筆啓上には、泣かされた。
「ガリガリくんのあたりが7ほんあります。
これでじいのびょうき、なおしてください」。
大好きなじいへの「願い」を託されたのはガリガリくんのあたり棒。
4歳にとって一番強力な宝物を差し出し気持ちが、沁みる。
短い手紙、短い言葉は、心を打つ。
長文の流麗な文体の巻物の手紙よりも伝わることがある。
「一筆啓上 火の用心 お仙泣かすな 馬肥やせ」
徳川家康の家臣である丸岡城主・本多左衛門重次が陣中から妻に充てた
有名な手紙がきっかけで始まった「一筆啓上賞」です。
確かに重次の手紙は秀逸です。
短い文に家を守り、家族を愛し、忠義を尽くす思いが簡潔に込められている。
伝えたいことのポイントを短い言葉でさらさらと筆でしたためのだろう。
ん?短い言葉で・・・ポチポチ・・・あれ?ちょっと似てない?
昔の「一筆啓上」と現代のSNS、たとえばLINE。
私のようなおばさんのLINEは、長い(笑)
大学時代の息子に長々と心配&説教込みのLINEを送るが、
息子からの返信は「わかった」「了解」「りょ」、
いやいや返信があれば、まだましなくらいだったな。
多分、当時の息子からすれば長々と続く母の長文LINEは
毛筆で長々綴られた巻物の手紙と同じだったのかもしれな(笑)。
おばちゃんもあれから少しは成長して、LINEの文面は短くなっている(はず)。
LINEは会話、なんだとようやく気づく今日この頃なのだ。
がしかし、短い言葉は伝えたい心が効果的に相手に伝わるけれど、
同時に短いがゆえに意図が誤解されたり、伝わらないこともままある。
若者世代はLINEの文章に「。」があると突き放されているように感じるなど、
現代の「一筆啓上」には現代なりの配慮も欠かせないらしい。
重次さんの「一筆啓上 火の用心 お仙泣かすな 馬肥やせ」も
現代のコンプラ的にはやや誤解される可能性もないとはいえない。
読みようによっては、出張中の夫から妻への一方的なLINEで
「しっかり家守っとけよ、子ども見とけよ、パートもサボるなよ」と
読まれなかねない・・・かも・・・とは心配し過ぎだろうか。
そう、短い言葉は、やはり、時に気を遣う。
会話のようにSNSを使いこなす若者じゃないからな~、
ポチポチ・・・ポチポチ・・・
一文字一文字、心をこめて、今日も一ポチ啓上(笑)
(写真は)
一筆啓上
春を待つ
和菓子うまし
元気なり


