自問自答の冬

まさか

ニュース映像に

おのれの

耳と目を疑う

自問自答の冬

今週3日深夜、韓国の尹大統領が「非常戒厳」を宣告、

行政や司法の機能を軍が掌握する、いわゆる戒厳令状態に突入。

結果的に国会の議決により6時間で解除されましたが、

ニュース映像が伝える現実を一瞬理解できず、心底驚きました。

五木寛之の小説に「戒厳令の夜」という作品はありますが、

圧政の歴史を象徴する「戒厳令」という単語は

およそ、現代の日常から遠い存在だと思っていました。

まさか、お隣の国でリアルタイムの宣告されるなんて。

同時に強く印象に残ったのが韓国の市民たちの行動です。

44年前、戒厳軍が民主化を求める市民を弾圧した光州事件などの記憶が

今も鮮明に残る韓国、数千人の人々が深夜の国会に駆け付けて

自らつかみとってきた民主主義を体を張って守る姿が

現地からのニュース映像に映し出されていました。

自分たちが動かなければ、民主主義は、簡単に終わる。

かつての歴史が日常と地続きになっているからこその行動だと痛感します。

あの戒厳令の夜から4日後、今朝10時、尹大統領は生放送で

国民に向けて談話を発表、今回の非常戒厳に関して謝罪を表明しましたが、

政治的、社会的混乱はまだまだ収まりそうにありません。

そんな中、昨夜、配信で観た映画にさらにショックを受けています。

「シビル・ウォー アメリカ最後の日」

もし今、アメリカ2つに分断され。内戦が起きたら。

それは今日起こることかもしれない。明日の現実かもしれない。

あってはいけない、だが、あるかもしれないアメリカ内戦を描いた衝撃作、

アメリカでは11月の大統領選挙前に公開されています。

連邦政府から19の州が離脱、テキサス州とカリフォルニア州の同盟からなる

「西部勢力」と政府軍が各地で激しい武力衝突が繰り広げられるアメリカ。

映画はなぜ内戦状態に至ったのか詳しい経過はあえてほとんど描かれず、

激戦で破壊され、戦場と化したNYの映像などにショックを受けますが、

ホワイトハウスを目指す4人のジャーナリストが目の当たりにする

内戦の恐怖と狂気はショックをはるかに超えたものがありました。

映画の中でひときわ恐怖を感じた台詞があります。

ジャーナリストたちに銃口を向ける迷彩服の人物が彼らに質問します。

「お前は、どの種類のアメリカ人だ?」

自国民が自国民に銃を向けて放つ絶望的に恐ろしい言葉。

それぞれの考え、立場、など一切耳を貸さない問答無用の選別。

「内戦」の狂気をこれでもかと映画は描き続けます。

重すぎる内容にたじろぎながら最後まで見続けつつ、

頭の片隅には「戒厳令」という単語がちらついていました。

様々な意見や考え方を自由に表明して話し合い解決を探る民主主義。

それが当たり前にあるものと思っているけれど、

もしかすると簡単に終わってしまう危険性があるのかもしれない。

みんなでしっかり支えないと脆く崩れてしまうのかもしれない。

歴史と日常はつながっている。

今が大切だからこそ、目と耳を開いていなければ。

ニュースを見ながら、自問自答の冬なのだった。

(写真は)

ちょっと

憂鬱そうな冬の空

温かいコーヒーが

心に沁みる朝