大きな木の下で

すっくと

天をめざし

小枝は茂り

大枝は伸びる

大きな木の下で

雨の月曜日です。

ひと雨ごとに季節が進み、秋が深まっていきます。

ふと気がつけば、緑一色だった山々もうっすら色づき始め、

まもなく赤や黄色が美しい紅葉シーズン到来となりそうです。

そんな季節の歩みを感じられるのも平和なればこそ。

今朝の朝刊各紙はガザ戦闘開始から1年を伝えていました。

イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの侵攻が始まって今日で1年、

「この瞬間も崩壊するガザ」という特集記事の数字に驚愕しました。

この1年のガザの現状を国連機関やガザ保健省のデータから示した数字です。

ガザの死者は42870人、そのうち子どもの犠牲は11355人。

栄養不足の女性と子どもは96%以上、住宅の被害は60%以上、道路被害68%、

農耕地の被害68%、漁船の被害70%、

家畜が本来の目的以外で死亡60~70%、

危機的あるいはそれ以上の食料不安96%、壊滅的なレベルの食料不安50万人。

想像を絶する実態を表す数字に絶句します。

8割を超える学校が被害を受け、機能している病院は半分以下。

壊滅的な被害を示す数字は、今この瞬間も刻々と増え続けているのです。

想像を絶するなどと思考停止している場合ではないと自戒する。

ガザ地区の面積は札幌市の半分以下、

15年に及ぶイスラエルによる封鎖で「天井のない監獄」と呼ばれる地区には

札幌市の人口を上回る220万人の人々が暮らしていました。

多くの人命が奪われ、家を失い、食料も届かず、教育や医療も受けられない、

そんな「我が町」を想像してみる。これらの数字が我が町のことだったらと。

イスラエルは攻撃対象を拡大、隣国レバノンに侵攻し、

親イラン民兵組織ヒズボラとの戦闘を劇化させ、中東情勢は緊迫しています。

レバノン侵攻に踏み切ったイスラエル北部の街は住民のほとんどが避難し

ゴーストタウンのようになっている映像をニュースで観ました。

住民の姿が消え、軍用車両が集結する街は緊迫感に包まれていましたが、

同時に街を彩る美しい緑の木々の姿にはっとしました。

かつては緑の木々の下で人々が語らいくつろいでいたのかもしれない。

すっくと天をめざしすようにそびえる木は、もしかしてレバノン杉?

イスラエルの隣国レバノンの国旗にも描かれているレバノン杉は

大昔、中東に大きな森を作っていた針葉樹で聖書にも登場し、

「麗しき枝、丈が高く、頂は雲の中にある。その枝葉に空のすべての鳥が

巣をつくり、その枝の下に野のすべての獣は子を産み、

その陰にもろもろの国民は住む」と記されています。

レバノン杉の大きな木の下でさまざまな民が住んでいた。

長年の民族、宗教間の対立に揺れる中東の地において平和の象徴だった。

国境は人間が後から引いた線だけど、木々は国境を超えて繁っていた。

国際ニュース映像で見たあの緑の木々は、レバノン杉ではなかったのか。

調べてみると、かつて大きな森を作っていたレバノン杉は乱伐の結果、

今ではごく一部に残るだけだという。

あの木々はレバノン杉ではなかった。

それでも、聖書のエゼキエル書の一節を思い出す。

水が大地を潤し、小枝は茂り、大枝は伸び、

小枝の下には空のあらるる鳥が巣をつくり、

大枝の下では野のすべての獣が子を産み、

その木陰には多くの国々がみな住んだ。

大きな木の下でみんな一緒に住めないか。

かつてレバノン杉が繁った地で起きていること。

知ることからはじめたいと思う朝だった。

(写真は)

雨の月曜日

雨の日と月曜日は憂鬱

そんな名曲があったな