伝統と創造

過去と

未来

縦糸と

横糸が紡ぐ

伝統と創造

・・・夢にまで見てしまった・・・

痛い・・・痛すぎる逆転負けのショックがまだ抜けない。

コンサドーレ札幌は、昨日のアウェイでG大阪に1‐2と痛恨の逆転負け。

J1残留争いの19位、勝てば残留圏との勝ち点差3に詰まったのに

後半アディショナルタイムにまさかの2失点、痛すぎる敗戦だった。

前半8分、初先発のFW白井選手が見事なボール奪取から初ゴールを奪い、

守備陣も必死のプレーで1点を死守して迎えた後半アディショナルタイム、

・・・ああ・・・何とかボールをキープできなかったか、

・・・奪ったボールを何とか攻撃に生かせなかったか、

「たられば」ばかりが脳裏に残り、試合の残像が夢で再生されてしまった。

だが、終わった試合は、もう戻らない。

残り5試合で勝ち点29、今日の試合結果によっては

残留圏との勝ち点差が9となり、かなり厳しい状況ではありますが、

日本一あきらめの悪いクラブ、勝ち続けるしかない。応援するしかない。

痛すぎる敗戦から一夜明けた早朝。

窓を開けたら、それは美しい朝焼けの空が広がっていました。

ビル群のシルエットと濃い茜色の曙と薄くたなびく薄墨色の雲、

なんと美しい・・・西陣織とか、こういう景色から生まれたのかしら・・・

なんて、その美しさに昨夜のショックも少し癒され、

朝のコーヒー片手に開いた朝刊日曜版にどんぴしゃの特集記事が載っていました。

「ファッション 和の席巻 西陣織×GUCCI」

ファッションの世界で今、日本のものづくりの存在感が際立っているそうです。

きめ細やかで品質の高い素材やその仕事ぶりが世界の高級ブランドを惹きつけ、

伝統と創造の和が席巻する先に新たなビジネスが広がる可能性があり、

その代表モデルとして紹介されていたのが「西陣織×GUCCI」。

西陣織を使った「Gucci Nishijin」シリーズが大注目なんだそうです。

確かに・・・美しい・・・素敵・・・!

花や蝶などの繊細な絵柄が銀糸を用いて織られた優雅で重厚な織物、

京都の西陣織の生地に竹の取っ手が特徴的なバンブーバッグの写真にうっとり。

2022年から続く「Gucci Nishijin」シリーズの新作です。

この美しい生地を作ったのは1688年創業の西陣織の老舗「細尾」。

先代の11代目が海外への売り込みに挑戦、跡を継いだ現在の12代目が

1200年の歴史があり西陣織の新たな一歩を目指して、

和柄のソファやクッションなどを販売するもなかなかうまくいかない。

要因の一つが生地の幅。西陣織は本来着物の帯をを作るためのもので

生地の幅は焼く32cmと決まっており、ソファを作っても継ぎ目だらけに

なってしまうのです。そんな矢先の2009年、NYの展覧会に出品した2本の帯に

目を留めた有名建築家から世界各国のディオールの店舗内装のテキスタイルに

細尾の西陣織を使いたいとオファーがあったのです。

そこでネックとなっていた32cmから世界標準の150cmの生地幅で作れる機械を

自社で開発、元々ある機械を改造したり、パーツを自分たちで作ったりと

1年がかりで完全なカスタムメイドの機械が完成、ディオールのための西陣織を

ひたすら織り続け納品、大評判となり、シャネル、カルティエなど

ほかのハイブランドから声がかかるようになり、

「Gucci Nishijin」もその流れの中で生まれた新シリーズだったのです。

現在は細尾の生地の売り上げの7割は海外からの依頼主からの発注だとか。

世界展開によって生地幅だけでなく、和柄にこだわらずグローバルな視点で

生地を作るようになり、フィルムを折りこんで光沢を出したり、片側が透けて

もう片側は透けないマジックミラーのような生地など

1200年の歴史が蓄積した技術を基に

新たな西陣織の価値を生み出しているのです。

春はあけぼの やうやう白くなりゆく山ぎは・・・

茜色の朝日と薄墨色にたなびく雲の美しい景色を

ひと織ひと織丹念に織物で表してきた京都の西陣織に

世界のハイブランドが夢中になるわけがよくわかります。

伝統は常に前進する。

決して現状に留まらない。

新たな価値を探して進む。

伝統と創造の凄みを「美」と呼ぶのかもしれない。

(写真は)

秋の早朝

茜色と薄墨色のグラデーションが美しい

清少納言や紫式部はどう描いたかしら

西陣の職人さんはどんな帯を織るのだろう