進化する季語

亀鳴く

ラグビー

ラ・フランス

ボジョレー・ヌーボー

進化する季語

これ、これ、これです、

これこそが、北海道の夏、なんですよねー。

今朝はすっきり澄み渡った青空が広がり、空気はカラリと爽やか、

本当に久しぶりに北海道の夏らしい気持ちの良い朝を迎えました。

今年の夏はじめじめ、もわもわ、ぱっとしない空模様が続き、

せっかく、たくさんの観光客の皆さんがいらしているのに、

なんだか北海道らしくないお天気ばかりで申し訳なく思っていましたが、

今日は胸を張ってお迎えできる爽やかな夏空、良かったー。

お?蝉の合唱も聴こえてきましたよ。

蝉鳴く朝・・・う~ん、一句詠みたい気分になってきますが、

・・・むむむ・・・後が続かない。俳人にはなれない(笑)

さて、その俳句の世界、実は大きく進化しているようなんです。

あるカード会社の季刊誌が「俳句」を特集していました。

古今の「名吟十七句」や俳句の歴史や基礎知識、現在の潮流など

なかなか興味深い内容でしたが、特に面白かったのが

「これも季語? 進化する歳時記」。

季節をまとう言葉である季語は俳句に欠かせない存在。

その季語をまとめたものが歳時記で、いわば「季節の辞書」です。

平安時代に季語として定式化され、俳諧が栄えた江戸期に急速に多様化、

日本古来の花鳥風月のほか、世相や生活を映す鏡として、

意外性のある現代的な事物も歳時記には含まれているのだそうです。

たとえば「亀鳴く」。

亀は実際には発声器官がないので鳴きませんが、かすかに音を出すことがあり、

それを春になってオスがメスを慕って鳴く声と空想してできた春の季語だとか。

な~るほど、亀のロマンスを想像したわけね、春は恋の季節だもんね。。

ちなみに立秋過ぎて鳴く蝉=「秋の蝉」は昔から秋の季語。

さらに「ラグビー」は試合が多く行われる冬の季語。

「ラ・フランス」は日本の梨と同じく秋の季語で

11月の第三木曜日解禁の「ボジョレー・ヌーヴォー」も

「今まさに歳時記に加わろうとしているフレッシュな季語」だとか。

ん?今まさに歳時記に加わろうとしているって、どーゆーこと?

実は新しい季語は「合議制」で決まります。

ある言葉を使った句が名句として評価され、ほかの俳人の共感を得て、

それが一般化してはじめて「季語」となるのだそうです。

な~るほど、新しい季語は簡単に意図的に生み出せるものではなく、

そう、そう、わかるーっと多くの共感を得てはじめて歳時記にのるわけですね。

なんだかSNSの「いいね」に似てなくもない。

松尾芭蕉も「一生のうちで一つでも自分の季語を見つけられたら幸せだ」と

語っていて、芭蕉さんですら容易いことではないようです。

「日記買う」「ボーナス」は年末年始の風景が見える冬の季語。

「ナイター」は暑い昼間から幾分涼しくなった夕刻の球場が浮かぶ夏の季語。

秋の夜長に勉強する受験生が見えるような「夜食」は秋の季語。

季節と暮らしと世相と何より「人」を感じる進化する季語たち。

人生は色々ある。忘れたいことも忘れたくないことも。

そんな機微を映した夏の季語がありました。「髪洗う」。

髪を洗うと生まれ変わったような気分になると同時に、

忘れたいことやわだかまりも一緒に洗い流してしまいたいような、

そんな揺れる心を詠んだ一句も紹介されていました。

「忘れたきこと忘れずに髪洗ふ」福川悠子

なんか、わかる・・・。

進化する季語。

人を映す。

(写真は)

晩夏の前菜

「トマトとアボカドのマリネ」

「マリネする」、季語にならんか?