物語がある

新しい歴史

1%の可能性

最高の楽しい6分間

叶えられなかった夢

物語がある

湿った重たい空気がまとわりつくような朝。

台風5号から変わった熱帯低気圧の影響で昨夜から雨が降り続き、

しかも動きが遅く影響が長引きそうな予想になっています。

洗濯物も部屋干し、さらに湿度は上がり、飽和水蒸気量に達しそう。

蒸し暑い・・・。

そんなじめじめ気分で開いた朝刊各紙はパリ五輪閉幕一色。

206の国・地域と難民選手が参加、32の世界記録と125の五輪記録が生まれ、

男女の混合種目は過去最多の20種目が行われた大会は

共生と多様性を体現したオリンピックだったと言えそうです。

「1%の可能性を最後まで信じていた」

「新しい歴史を見られて僕は幸せです」

「最高に楽しい6分間でした

「妹の分まで頑張らないとっていう気持ちで1日頑張りました」

パリ五輪で印象的だったアスリートの言葉が紹介されていました。

いずれも日本のメダリストたちが語ったコメントですが、

どの競技のどの選手のものなのか、その言葉だけでわかります。

固唾を飲んで見つめた瞬間もさまざま蘇ってきます。

しかし、パリ五輪のさなかにも、戦争という事実があった。

「競技だけに集中することは不可能。私の国ではこの戦争で500人の選手が

亡くなり、彼らは(スポーツで)競争することを奪われた」。

陸上女子走り高跳びで金メダルを獲得したウクライナの

ヤロスラワ・マフチフ選手の言葉です。

国際面にパリ五輪「実現しなかった物語」という記事がありました。

選手村でのイベントやテレビで流れた動画が話題になっていたそうです。

「私の夢は10歳のときからウクライナ代表として五輪に出場することだった」

1人のボクシング選手が競技人生を振り返る場面から始まります。

幼い娘の手を取って優しくサンドバックの打ち方を教える1分半の動画は

衝撃的な言葉が続きます。

「ボクシングはロシアに勝利してからと言ってきた。

けれど、その夢はかなえられない。

だって私は死んだのだから」。

ロシアによる侵攻開始3か月後の2022年6月に志願入隊、昨年3月、

東部ルハンシク州で22歳のボクシング選手が命を落としました。

そのマクシム・ハリニチェウさんの生前のデータを基に

「メタヒューマン」と呼ばれるAI技術で再現した動画です。

ロシア侵攻で命を落としたウクライナのスポーツ選手は489人だそうですが、

「戦争が長引くにつれて死者が死亡者数という「統計」になってしまう。

その裏には一人一人の顔、声、物語がある」と五輪経験者やパリ五輪出場が

有力視されながら命を落とした6人の選手をAIで再生しようと

ドイツの広告会社BBDOが企画、昨年7月から準備を始めたそうです。

家族が望まない形でよみがえらせることのないよう、遺族の思いを大切に、

本物の人間のようでありながら、AIだとわかる微妙は部分を追求。

「選手たちは命を奪われ、今はもういないのだということを伝えたかった」

夢はウクライナ代表だった。でもそれ叶えられない。

だって私は死んだのだから。

ウクライナ侵攻から2年半。

イスラエルによるガザへの攻撃は今も続く

華やかなパリ五輪は閉幕したけれど、

戦争で命を落とすアスリートがいる。

今、この瞬間も、その現実を胸に刻む。

(写真は)

今日は盆の入り

亡き人が帰ってくる

その想いに耳を傾ける

秋桜が咲いていた