ひとつ足りない

みっつ

よっつ

いつつ

むっつ・・・

あ、ひとつ足りない

6月最初の月曜日の朝。

早い時間の空は真っ青に晴れ渡っていましたが、

少しずつ雲が広がりはじめ、薄曇りになりそうな気配。

それでも、初夏の空気はやっぱり爽やか。

初夏は畑からも海からも美味しい食材が目白押し。

この週末は旬の味を活かした和食三昧にいたしましたよ。

北海道の初夏の海からやってきたサクラマスは塩焼きで

近頃、夫がハマっている白かぶのソテーも食卓に。

さらに季節の野菜は初夏の筑前煮に仕立てました。

根菜や鶏肉を炒め煮にする福岡県の郷土料理は

我が家のお正月料理の定番ですが、初夏でも食べたい、

この季節ならではの食材を使って作りましょ。

まずは鶏もも肉を炒め、そこに根菜類を投入していきます。

柔らかくで香りのよい新ゴボウと甘い春ニンジンね。

さらに格子状に切り目を入れて下茹でしたこんにゃくと、

生椎茸、厚揚げも加えて、一番出汁を注ぎ入れ、

酒、味醂、三温糖、醤油を加え、ことこと煮込みます。

ことこと・・・いいなぁ・・・煮物の匂いって癒される。

お正月の筑前煮はしっかりした冬のゴボウやニンジン、蓮根、

さらに戻した干し椎茸を入れるので力強い感じがありますが、

初夏の筑前煮はなんというか、やさしい匂いがします。

さあ、こっくりいい感じに出来上がりましよ。

「初夏の筑前煮」、いっただっきまーす!

う~ん、新ゴボウ、やわらかっ♪春にんじん、甘っ♪

鶏肉はほろほろ、こんにゃくも厚揚げも椎茸も味しみしみ、

じ~んわり、やさしい気持ちになる筑前煮、初夏も美味い。

「筑前煮」は福岡県の伝統料理「がめ煮」のこと。

博多の方言「がめくりこむ(=寄せ集める)」が名前の由来とされ、

秀吉の朝鮮出兵の際、当時「どぶがめ」と呼ばれていたスッポンと

ありあわせの材料を煮込んで食べたのが始まりとする説もありますが、

朝鮮出兵時の文献にはそうした記述は見当たらないないようで、

どうやら「がめくりこむ」説が有力とみられるようです。

明治以降に「がめ煮」が全国に広まるにつれて、

福岡の昔の地名「筑前」の煮物→「筑前煮」と呼ばれるようになりましたが、

今も昔も福岡では正月や祭り、博多祇園山笠のお祝いなどには欠かせない

郷土の代表的な伝統料理として受け継がれています。

鶏肉や根菜などの材料を最初に炒めてだしや調味料を入れて煮込み、

野菜は季節や地域で異なることもありますが、福岡県の志賀島では

具材の種類が必ず奇数になるようにつくる風習があるそうです。

「奇数」=「喜数」から縁起が良いということらしい。

ん?待てよ、あわてて初夏の筑前煮の具材を数えてみる。

新ゴボウ、春ニンジン、鶏肉、こんにゃく、厚揚げ、生椎茸。

ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ、いつつ、むっつ・・・

あぁぁぁ・・・ひとつ足りない・・・

うらめしや~、縁起の良い奇数に、ひとつ足りない・・・

怪談「番長皿屋敷」のお菊さんモードになってしまった(笑)

惜しかった、彩りにさやえんどうの緑を足そうかと思ったけれど、

ま、ふだんの食卓だから、いいかなーってネグっちゃったんだよねー。

さやえんどうがあったら、七つの奇数=喜数になったのに、残念。

とにもかくにも、具材が偶数でも奇数でも、

鶏肉や根菜や野菜など具だくさんの食材を甘辛く炒め煮する「筑前煮」は

ハレの日も、ふだんのおかずやお弁当にも大活躍するおいしい郷土料理。

初夏のやさしい筑前煮も、よかばい♪

(写真は)

福岡の郷土料理の初夏版

「初夏の筑前煮」

新ゴボウと春ニンジンが甘い

具材は奇数にひとつ足りない、

けど、うまかー