つばらつばら

ああ

懐かしき

みやこよ

遠きにありて

つばらつばら

う~む、肌寒っ!札幌に初夏を告げる熱いイベントが開幕したのに

今朝も昨日と同じようなすっきりしない曇り空、空気はひんやり。

YOSAKOIソーランまつりにはスカッと晴れた青空がお似合いなのにねー、

リラ冷えの季節は過ぎたし、YOSAKOI冷えってこと?

明日以降、週末にかけては初夏らしい気温になる予報に期待しましょ。

ちょっと物憂げな曇り空が続く初夏のお茶時間。

風情ある水無月の古都を思い浮かべつつ、京都銘菓をいただきましたよ。

享保3年(1803)創業の老舗「鶴屋吉信」の「つばらつばら」。

つばらつばら・・・なんと美しい響きのある菓銘でありましょう。

「つばらつばら」は「しみじみ、心ゆくまで」という意味の言葉。

万葉集にも登場するゆかしい言葉にふさわしく、

素材にこだわり、職人さんが丹精込めて焼き上げた和菓子で

先日の丸井今井の京都老舗まつりでゲット、大好きなの♪

もち粉と小麦粉を独自の配合であわせた生地をふっくらと焼き上げ、

十勝産小豆の粒餡をたっぷりとはさみ半月に仕上げた「つばらつばら」。

まず指先に感じる柔らかさ、しっとり感に驚き、

食べた瞬間のもちもち感とまろやかな餡とのバランスに驚きます

まさに・・・つばらつばら・・・しみじみ、心ゆくまで美味しい。

「つばらつばら」の菓銘の由来は万葉集に収められた大伴旅人の歌。

「浅茅原つばらつばらにもの思へば故りにし郷し思ほゆるかも」

太宰府長官として九州に赴任したとき、しみじみ物思いに耽るうちに

故郷の都のことがあれこれと心に浮かんでくるよと詠んだものです。

大友旅人が生まれた665年の翌年、天智天皇によって飛鳥から近江に遷都、

その後の壬申の乱によって再び飛鳥に戻ります。旅人にとっては

飛鳥や藤原京は平城京と同じく懐かしい故郷だったようで、

この「つばらつばら」の歌も飛鳥への望郷の思いを詠んだとされています。

大河ドラマ「光る君へ」はこれより後の平安時代のお話ですが、

太宰府への左遷に激しく抵抗する藤原伊周の姿が描かれていました。

奈良時代、平安時代の都で暮らす貴族にとって、

太宰府=九州は距離的にも心理的にも遠い場所だったのでしょうね。

長官という地方官僚のトップという地位にあっても、

やはり、都が忘れられない・・つばらつばらに・・・懐かしい、恋しい。

庭の梅の木に、あるじを忘れずに、春になった太宰府まで飛んでこいと

菅原道真も歌ってましたもんねぇ。宮仕えは、ツラい。

古の歌人の望郷の思いがこめられた「つばらつばら」。

しんとり、はんなり、もちもち、やさしい甘さの奥に

あるかなきかの涙の味がしのんでいるような気がしてきた。

つばらつばら・・・しみじみ味わう贅沢なおやつ。

(写真は)

「鶴屋吉信」の銘菓

「つばらつばら」

かぎ針編をイメージした

和紙の個包装もいとをかし