春は、貝

なごり雪

雪どけ

小さな木の芽

土の匂い

春は、貝

はらはらとはかなげに舞うなごり雪。

もしかすると、これが見納めになるのかもしれないと

近頃は雪が降るたびに、毎回、万感こめて見送っています。

今季最後の雪はいつになるのか、きっと、そう遠くないはす。

道路脇に積もった雪の壁も日に日に低くなり、

アスファルトが顔を出す面積も日に日に大きくなり、

桜並木や遊歩道の梅の木の芽もまだ膨らんではいないけれど、

枝先にツンツンと芽があるのが確認できます。

柔らかな朝の空気にはかすかにほのかに土の匂いも感じる。

春の気配が日に日に感じられるこの季節。

そんな春は、貝の季節。貝類は初夏に産卵を迎えるものが多く、

身が肥えて食べ頃になるのは3~4月のこの時季。

ご近所スーパーにもそれは新鮮な北海道産ホタテが並んでいました。

ということで、週末ごはんの前菜は、ホタテ。

「アボカドと帆立のカクテルサラダ」を作りました。

敬愛するタサン志麻さんのレシピを海老から帆立にスイッチ、

北海道産の春の帆立の食感と甘さを楽しむアレンジ版です。

鮮度抜群の帆立はさっと湯引きして冷水に取り、水気をしっかりとって、

ぷりぷり食感を活かすために一粒を縦4等分にコロコロカット。

マヨネーズ、トマトケチャップ、チリペッパー、レモン汁を合わせて

カクテルソースを作ります。

食べ頃のアボカドは半分に切って種をとり、レモン汁をかけ、

くぼみの部分にカクテルソースをたっぷり入れて、

その上に帆立をたっぷりと盛り付けたら完成。

器は、もちろん、バースデープレゼントの、あのやちむん!

宮城陶器の青磁釉のオーバル皿にそっと載せます。

う、わぁぁぁ・・・す・て・き・・・素敵すぎるーーー♪

沖縄の大地と海と、オホーツクの流氷をも思わせる景色が見える器に

アボカドの緑、ホタテのやさしいアイボリーホワイトが、映える。

「シンプル・味わい・伝統・モダン」がコンセプトの器。

作家の宮城正幸さんが大切にする「主役は使う人と料理」という思いが

実際にこうしてお料理を載せてみると、本当によくわかります。

アボカドと帆立のカクテルサラダを載せた瞬間、

器とお料理が一気に息づいた。

両方に生命が宿ったかのように鼓動を打ち始めたのですよ。

そして、耳を澄ますと、お皿から何かが聴こえてくる。

♪春は、貝、春は、貝、春の北海道の帆立だよ♪

お料理が、喋った?

凄いよ。宮城さんのオーバル皿。

サラダを取り分けた後にパルマのプロシュートとチャバタを載せてみたら、

今度は生ハムとイタリアのパンが陽気に歌い出した、ような気がした(笑)。

よき器は、お料理に命を、言葉と歌をもたらすのだ。

さあ、次は、景色の器にどんなお料理を載せようか。

器とお料理が、どんなお喋りを、歌を聴かせてきれるだろうか。

帆立も牡蠣も北寄貝も美味しい季節。

春は、貝。

(写真は)

アボカドと帆立のカクテルサラダ

宮城陶器の青磁釉オーバル皿に載せて

器とお料理が楽しそう