彼岸時蕎麦
水の音
丼の音
揚がる音
すする音
彼岸時蕎麦
今日は春分です。
太陽が真東から昇り、真西に沈み、昼と夜の長さがほぼ等しくなります。
この日から昼がどんどん長くなり、「陰」から「陽」へ転ずる日と
中医学では考えられていて、活動と睡眠など人間も陰陽のバランスを
整えることが大切とされています。養生も春ヴァージョンね。
確かにこの季節は寒暖差や気圧の変化が大きいだけでなく、
春の新生活に向けて環境も色々変化する時期なので、
自律神経が乱れやすく、心身ともに体調管理が大切です。
旬のおいしい食材を積極的に摂って元気に過ごしましょ。
春分の日は春のお彼岸の中日でもあります。
我が家は春分イブの昨日、お彼岸のお参りをすませ、
亡き父と久しぶりに心の中であれこれお喋りしてきました。
そして帰りは予定の回転寿司店が激混みだったので、
大好きな円山のお蕎麦屋さん「さくら庵」へ。
なごり雪が降る寒い日ではありましたが、気分はすでに春。
お店の中も心地よく暖かいので、冷たいお蕎麦をチョイス。
ふふっ、ちょっと奮発して天せいろにしましたよ。
ふふっ、春のお彼岸を祝して(笑)昼ビールもちょいとね。
「まま、どうぞどうぞ」元々お酒を飲まない運転手役の夫が
冷えた瓶ビールをコップに阻止でくれる。妻冥利に尽きる(笑)
添えられた塩豆なんぞをつまみながら、
「これ、大豆だよね?」「うん、青大豆かな」なんて
なんてことない、とりとめのない会話を交わすひととき。
奥の厨房からかすかに流水の音が聞こえてくる。
ゆで上がった蕎麦を勢いよく水で締めている音。
軽やかなかちゃかちゃと丼や器がたてる音。
ジャーッ!熱々の天婦羅を揚げる音。
昼時のお蕎麦屋さんは美味しい音に溢れている。
駅前の立ち食い蕎麦は素早く時を経ずに出てくるのが身上ですが、
こうして街のお蕎麦屋さんでまったり昼ビールで喉を潤わせつつ、
色々なおいしい音を聞きながらお蕎麦ができるまでの時間を楽しむのは
まさに「粋」ってもんでしょう。
落語の「時そば」は十六文の蕎麦のお勘定をめぐっての噺ですが、
蕎麦が出てくるまでの時間をこうして楽しむのも、
ある意味、「時蕎麦」と言えなくもありませんねー。
春のお彼岸でそばをたぐる、彼岸時蕎麦なり。
な~んて妄想していたら、お待ちかねの天せいろがやってきました。
香ばしく揚がった熱々の天婦羅に更科蕎麦、艶やかな海苔も美しい。
抜群の蕎麦つゆに加え、揚げたて天婦羅のためのお塩も添えられている。
さあ、さっそく、いただきましょう!
さっと蒸篭から蕎麦をたぐって、すすっとひと口ですする。
あ、もうひとつ、お蕎麦屋さんに欠かせないおいしい音があった。
蕎麦好きの得意技、きれいに蕎麦をすする音。
おいしい音を楽しむひととき。
春の彼岸時蕎麦。
(写真は)
揚げたての天婦羅
お塩が添えられているのも嬉しい
「さくら庵」の天せいろ


