王様のおやつ
甘く
おいしく
美しく
歴史を刻む
王様のおやつ
穏やかな日差しに恵まれた日曜日の朝。
雪はまだまだたくさん積もっていますが、
2月半ばともなるとお日さまの光もいよいよ力強さを増してきました。
まさに「光の春」を実感する今日この頃であります。
昨年のクリスマス休暇に訪れた冬の沖縄旅リポート、思い出のお土産編、
本日は「王様のおやつ」のお話です。
琉球王国の伝統を受け継ぐ美しい宮廷菓子を
沖縄の美しい焼き物「やちむん」に盛りつけてみました。
首里城のお膝元にある伝承百年の老舗「新垣カミ菓子店」の
「花ぼうる」「くんぺん」「ちんすこう」の3種の琉球菓子が
読谷村に陶房を構える壱岐幸二さんお白釉藍染付のお皿に映えて
沖縄の造形美コラボが実に実にいとおかし、よきよき。
かつて琉球王国の王様が住む首里城内では毎日の食事のほか、
儀式や外国から賓客のための豪華な宮廷料理や宮廷菓子が作られていました。
その王府の厨房=包丁方を任されていた新垣親雲上淑規
(あらかきぺーちんしゅくき)の流れを組む老舗が「新垣カミ菓子店」。
由緒正しい琉球王朝の宮廷菓子を今も伝統的な製法で作り続けているのです。
「ちんすこう」も「くんぺん」も「花ぼうる」もすべて手作り。
特に美しい花のような形が特徴的な「花ぼうる」も昔ながらの製法で
手作りで受け継いでいるのはこのお店だけかもしれません。
「花ぼうる」の材料は卵黄、砂糖、小麦の三つのみ。
琉球王国時代、当時は貴重だった卵と砂糖をふんだんに使ったお菓子は
一枚一枚、生地に花をかたどった切れ込みを
流れるような手さばきで入れていく甘く美しい芸術品です。
「くんぺん」は卵黄、砂糖、小麦粉の生地で胡麻やピーナッツの餡を包み
円形に焼き上げたお菓子で、その昔は「光餅」と表記されていましたが、
上品な香りから現在では「薫餅」と表記されることが多いようです。
「花ぼうる」も「くんぺん」も旧盆のお供えには欠かせません。
沖縄土産の大定番「ちんすこう」ももともとは琉球王朝の宮廷菓子。
中国からの冊封使をんもてなすために作られ、明治期以降、庶民にも広まり、
王族や貴族しか口にできないお菓子だから「金酥糕」とされたとも。
昔は菊の花の形でしたが、戦後、食べやすいように細長い形になったらしい。
復興が進む首里城では
こうした伝統的な琉球菓子とさんぴん茶を楽しめる「呈茶サービス」が
焼失した「鎖之間(さすのま)」から無事だった「系図座・用物座」で再開、
それぞれのお菓子の由来などをかみしめながら味わうのも、いとおかしですね。
旅先の伝統菓子を旅先の器で
思い出とともにいただく至福のひととき。
かつての琉球王朝の栄華もしのびつつ
王様のおやつを味わうのだった。
(写真は)
琉球王国伝統の宮廷菓子三種
花ぼうる、くんぺん、ちんすこう
白いやちむんに映える


