哲学のパン
南国の樹木が
薪となり
石窯をあたため
酵母と小麦に命を与える
哲学のパン
久しぶりに穏やかな空模様の週末となりました。
連日連夜の雪かきに追われた札幌市民も
この週末は少し体を休めることができたかもしれませんね。
とはいえ、一年で一番寒い時季、色々気を引き締めてまいりましょう。
冬の沖縄旅リポート、今日は哲学のパン編です。
旅の4日目は自然豊かな宜野座村での道の駅で人気のぎのざジャムを、
沖縄市(旧コザ)の「TESIO」で絶品シャルキュトリーをゲット、
お昼ごはんは泡瀬漁港の漁組直営「パヤオ食堂」で沖縄県民食である
「魚のバター焼き」を堪能、新鮮な魚(いまいゆ)の魅力を満喫しました。
明日は雪の札幌に帰る日、那覇の定宿に泊る予定ですが、
飛行機の時間がいつもより早めなので、朝食はお部屋で軽くすませようと、
翌朝のパンを買うために、昼食後にちょっと寄り道をします。
目指すは沖縄のパンの聖地とされるお店です。
沖縄ではこの10年ほど次々と個性的なパン屋さんがオープンし、
今やパン好きの聖地と称され、ガイドブックでもパン屋さん紹介は必須、
おいしいパン屋さん巡礼は沖縄旅の新しいトレンドとなっていますが、
そんな沖縄パン文化の原点と言われるのが「宗像堂」であります。
小麦粉、林檎、長芋、人参、炊いたご飯、黒糖などからおこした酵母を使い、
手作りの石窯で丁寧に焼かれたパンを求めて、全国のパン好きが訪れる聖地。
沖縄に数ある天然酵母パン店に先駆けとなった「宗像堂」
その評判はずっと耳にしていたのですが、なかなか訪問する機会がなく、
今回が満を持しての初「宗像堂」詣でとなります。
国道から高台に続く道を上っていくとやがて畑の向こうに海が見え、
宜野湾の住宅街が連なる道の傍らにぽつんと「宗像堂」と書かれた
小さな丸い看板を見つけました。どうやらここで曲がって坂道を下るらしい。
イブの日曜日の昼下がり、そろそろと静かな住宅街を下りていく。
・・・が、あれ・・・?それらしきお店が見当たらない。
ナビは「目的地周辺です」とすましている(笑)
ちょうど、地元の中学生男子が一人通りかかったので
「あの、宗像堂ってパン屋さん、わかりますか?」と聞いているが、
天然酵母のパンよりゼブラパン世代なのか「いや、知らないっす」。
ごめんね、ありがとう、自力で探してみるよ。
細い坂道をUターンして、もう一度上っていくと・・・
南国の緑に囲まれて風を避けるようにして建つ白い外人住宅を発見。
あ、ここだ、何度も雑誌で目にしていた「宗像堂」だ。
まわりに生い茂るのはガジュマルの木だろうか。
お店を守るように豊かな緑の葉を広げています。
2003年から、この地で、天然酵母のパンを焼き続けている名店。
ロケーションも佇まいも沖縄らしくてとても素敵です。
「宗像堂」を営むのは大学院で微生物研究していた宗像誉支夫さんと
沖縄のミュージシャン、ネーネーズのマネージャーをしていたみかさんご夫婦。
今や沖縄パン文化のカリスマともされるお店ですが、お二人とも
パン屋での修行やパン職人に弟子入りした経験はないのだそうです。
沖縄でいろいろな人に出会い、いろいろなご縁があって、
微生物研究から陶芸の世界に入り、さらに土をこねることから、
粉をこね、微生物である酵母ともにパンをつくる暮らしになったとか。
「宗像堂」のHPにはこんな一文が載っています。
「石窯が蓄えた命が生地に伝われば、
パンという、新しい命に生まれ変わる。
生まれてきたパン達は、人の命をそっと支える」
「エネルギーとしての生命を完全な形で循環させたい。
自らの酵母で。自然界で最もエネルギーが高く、どうか最高のバランスを」
南国の樹木が薪になり、炎を生み、石窯をあたため、
小麦や酵母たちを新しい命へと循環させる。
これは、哲学のパンだ。「宗像堂」。
さあ、白い外人住宅をドアを開ける。
(写真は)
宜野湾市の住宅街
緑のガジュマルに守られた白い外人住宅
沖縄パン文化の聖地「宗像堂」


