いまいゆスペシャリテ

南の海

旬の新鮮なお魚

おいしい個性を

さらにおいしく

いまいゆスペシャリテ

猛吹雪から一夜明けたベランダは一面真っ白。

吹き溜まりの雪に覆われ、ベランダ用サンダルでは歩けません。

昨日は天気予報やニュースの注意喚起に従って、車はあきらめ、

地下鉄&徒歩で移動、大荒れの天候時に無理は禁物ですね。

今日もまだ強い雪、風は続きそう、まだまだ用心しましょう。

雪の札幌から冬の沖縄旅リポート、泡瀬パヤオ編を続けます。

4日目のお昼ごはんは沖縄市(旧コザ)の東海岸に泡瀬漁港へ。

地元で「泡瀬パヤオ」と親しまれている漁港直結の人気スポット、

沖縄市漁業協同組合直営の「パヤオ食堂」にやってきました。

パヤオとはフィリピン語で「筏」を意味する「浮き漁礁」のこと。

マグロやカツオなどの回遊魚が流木に集まる習性を利用した漁法で、

漁港から片道2時間ほどの海面に浮かぶブイのようなパヤオで穫れる魚を

直売店でも買えるし、食堂でも味わえる地元民に愛される場所。

訪れたこの日はクリスマスイブの日曜日のお昼どき。

今宵のご馳走にお刺し身などを買い求める人々や、

お昼ごはんを楽しむ家族連れなどでもう大賑わい。

厨房からは美味しい湯気と匂いが漂い、カウンターにはメニューが満載。

その日穫れた新鮮なお魚、沖縄の言葉で「いまいゆ」が主役。

魚汁定食、天ぷら(沖縄風の魚の天ぷら)定食、マグロ丼などなど

どれもこれも美味しそうなお品書きが並ぶなか、

オーダーはもう、決まっていました。

「パヤオ食堂」一番人気の「魚バター焼き定食」。

バター焼きと言っても、お上品なソテーやムニエルとは全く違います。

パヤオで獲れた新鮮なお魚を1匹丸ごと豪快に素揚げして、

たっぷりのバターとにんにくで仕上げたうみんちゅ伝統の魚料理なのです。

昔から、沖縄のうみんちゅたちは獲れた魚を丸ごと素揚げして

マース(塩)やシークヮ―サーなどとともに食べていましたが、

戦後のアメリカ統治下時に米国産のマーガリンが大量に出回り、

淡白で身の柔らかい沖縄の魚の個性を活かそうと「バター焼き」が誕生。

沖縄ではマーガリンをバターと呼んでいた名残りからそう呼ばれています。

今では乳製品のバターを使った魚のバター焼きを出すお店もありますが、

地元食堂などでは昔ながらのマーガリンをたっぷり使った「バター焼き」が主流、

泡瀬漁港の「パヤオ食堂」もガツンと豪快な魚のバター焼きが大人気、

全国放送のテレビ番組でもしばしば紹介される名物店なのでした。

さっそく、カウンターでおじさんにオーダー。

「魚のバター焼き定食と、マグロとシラス丼定食、お願いします」

「はいはい、バター焼きとマグロシラス丼ね」

「あの、バター焼きのお魚、今日は何ですか?」

「ん?今日の魚?あー、タイ」

「タイ?ですか?」

「そー、タイ」

その日穫れたお魚が主役、名前を知りたかったが、

お店は大盛況、おじさんも忙しそう、

「タイ」の詳細を追加質問することははばかれ(笑)

「はい、じゃ、お願いします」と旅人はすごすご引き下がるのだった。

パヤオ食堂はセルフサービス。

お料理が出来上がると、おじさんが大声で呼んでくれる。

「魚バター焼きのかたぁ~!」

「はい!」素早くカウンター受け取ります。

うわぁぁぁ!迫力満点!

ステーキ皿のような熱々の鉄板にお魚がジュージュー音を立てている。

「タイ」という赤いお魚にはドカンとにんにくのすりおろしが乗っかっていて、

バター(マーガリン)とにんにくの香りが強烈に食欲をそそる。

さあ、パヤオ食堂名物「魚のバター焼き」いっただきまーす!

箸を入れるとほろりと身がほぐれる。

ぱくり・・・うんまぁぁぁ~!

素揚げされた皮はパリッ、ふわりと上品で柔らかい白身と

力強いバターとにんにくの相性がもう抜群、こりゃ絶品。

定食にはパヤオで獲れたマグロのお刺し身もついていて、

さらにお魚のぶつ切りがゴロゴロ入ったお味噌汁がこれまた最高。

マグロシラス丼定食とともに夫とシェアしながら食べたのですが、

夫も箸がとまらない、二人でぺろりと完食。

それにしても、気になるのは「タイ」の正体。

あとで調べてみると、沖縄の漁港の競り場ではバター焼きに使うような

比較的若い個体の魚が色々ひとまとめにして競りにかけられていて、

沖縄では「ビタロー」と呼ばれるフエフキダイ、イソフエフキダイや

なかにはナミフエダイやフエダイ、「アカマチ」と呼ばれるハマダイなどの

高級魚も混ざっているのだそうです。

確かに、おじさんの言う通り、「タイ」は「タイ」だった。

う~む、あの日味わった「タイ」の名前は何だったろうか?

赤い色をしていたから「ビタロー」かな。

それとも高級魚「アカマチ」だった可能性もあるなぁ。

南国の海にぷか浮かぶ

パヤオの恵みを豪快にお料理。

泡瀬のパヤオ食堂の「魚のバター焼き」は

沖縄も海の魅力が詰まった、いまいゆスペシャリテだ。

また食べに行きたいなー

その時はお魚の名前をしっかり聞き出そう(笑)

とにかく、おいしい「タイ」だった。

(写真は)

泡瀬漁港直結

沖縄市漁業協同組合直営「パヤオ食堂」

一番人気のいまいゆスペシャリテ

「魚のバター焼き」