観る復興

日本全国から

集められた

美しい木材と

匠の技が結集

観る復興

ふわぁ~っと、旅の余韻に浸ってばかりでしたが、

昨日あたりからようやく大掃除や買い出しなど年末のあれこれに着手。

昨夜に年賀状も書き上げ、ポストに投函、年賀状の束が落ちるその音から

かなりの量の年賀状がすでに投函されているのがわかりました。

それでも年々減少していて、年賀状総数はピーク時の3割だとか。

ふ~む・・・確かに我が家の枚数もピーク時の半分以下かも。

お年賀状の結婚式の招待状もスマホ、の時代ですものね。

伝えるツールが変わっても、相手を想う心は変わらない。

さて、冬の沖縄旅リポートその③をお届けします。

クリスマスの週末、氷点下の新千歳空港を飛び立ち那覇空港へ到着。

今季一番の寒波到来で「トゥンジービーサ(冬至の寒さ)」の風がお出迎え、

トレンチコートにヒートテック、ニットにタイツ、脱げません(笑)

最初の夜は沖縄で空前のブームらしいヴァンナチュール(自然派ワイン)を堪能。

隠れ家のような心地よいお店で絶品料理とともに酔いしれ、

翌朝2日目は朝一番で開門直後の首里城へレンタカーで向かいました。

琉球王朝の歴史、文化を象徴する城、そして祈りの場でもあります。

歴代の王が外出の際に安全祈願の礼拝をした「園比屋武御嶽石門」前で

神が宿る森へ旅の無事を願って、うーとーと(祈り)を捧げ、

美しい赤瓦を戴いた朱塗りの「守礼門」をくぐり、首里城内へ。

小高い丘に建つ城郭に幾つも続く美しい門を経て、

いよいよ、首里城の中枢「正殿」へとやってきました。

真っ赤な朱塗りの三階建ての壮麗な建物が目の前に出現。

「えっ!?もう、復興したの???」と、一瞬勘違いするほど

精巧な在りし日の正殿の絵が木材倉庫の白い壁に描かれていたのです。

そうだった、今まさに、首里城は復興への道の途中だった。

2019年10月31日未明に正殿内部から発生した火災で正殿など9施設が焼失。

沖縄の心が焼け落ちる光景は今も脳裏に焼き付いていますが、

首里城復興に向けて、沖縄そして全国の人々の力を結集して、

2022年に着工、2026年の完成を目指して復元工事が進められています。

首里城復興の大きな柱が復元の現場や過程を一般へ公開・発信する、

「見せる復興」と「地域振興・観光振興への貢献」です。

焼け落ちた赤瓦の漆喰はがしボランティア活動や復興関連イベントを通して

悲劇の火災から再出発する過程そのものを沖縄の原動力にする試みです。

2年前に訪れた際には正殿工事着工前でしたが、

全国から集まった大勢のボランティアが一生懸命に漆喰はがしをしていました。

きれいになった赤瓦は細かく粉砕されて、

新しく焼かれる赤瓦の材料の一部として蘇るのだそうです。

2022年6月から首里城復興展示室などが設置され、

正殿復元に向けた公開が始まっていましたが、

いよいよ大きな素屋根の中で工事が本格的進んでいました。

全国から集めれた貴重な木材を各地からやってきた宮大工さんたちが

匠の技の粋を結集して、あの美しい正殿の復元に取り組む様子が

ガラス越しにリアルタイムで見学することができるのです。

原寸大の寸法で書かれた図面から部材を一つ一つ切り出すさまを

すぐ間近で見られました。貴重なイヌマキやヒノキの芳しい香りが

ガラス越しから漂ってくるようです。

鉋を使う姿、一寸の狂いもないよう慎重に鑿をふるう匠の眼差し。

もう、感動。思わず息を止めて見つめてしまいました。

そして素屋根の最上部に到達。

おおお~~~!!!正殿復元の大きな節目に遭遇しました!

正殿軸組建方・小屋組工事がまさに完了しようとしているのです。

今年9月に1本目の柱が建てられ、その後、丸太梁などが据え付けられ、

今、目の前で、残りの屋根の梁がゆっくりと据えられようとしています。

正殿屋根の最上部にクレーンで吊り上げられた木材を

何人もの宮大工さんが慎重に慎重に骨組みへと据え付けていきます。

こんなクレーンや重機がない時代に、どうやって在りし日の正殿を

当時の人々は作ったのだろうかとはるか昔に思いを馳せました。

今、見ている正殿の屋根は完成したら、絶対この目線では見られません。

火災は悲劇的な出来事だったけれど、

令和の首里城復興の過程を内部からこうして見られる体験は

沖縄の歴史をリアルタイムで目撃しているということです。

「見せる復興」は「観る復興」。

首里城が再び立ち上がる一歩一歩を

歴史の証人として目撃できる貴重な機会。

2026年の完成までの間も、一度は来る価値が絶対あります。

私が首里城を訪れた3日後の2023年12月25日。

正殿の軸組建方・小屋組工事が終了、ついに骨組みが完成しました。

柱や梁など22の府県から調達された木材513本が使われ、

建方工事携わった人数は6000人にも及ぶそうです。

美しい首里城を蘇らせるんだ。

日本全国から貴重な木材が寄せられ、匠が結集し、

令和の復興は大きな節目を迎え、次なるステップへと歩み始めました。

工事を見守る警備スタッフの言葉が心に残っています。

「毎日毎日見てて、全く飽きないんですよ。

 毎日毎日、出来上がっていって、

 毎日毎日、楽しいんです」

観る復興は、沖縄の力になっていた。

(写真は)

首里城正殿復元工事の大きな節目

骨組み完了間近の瞬間

完成したら絶対見られない、

屋根の最上部の内部です