忘れないよ

忘れても

忘れても

大丈夫

だって

忘れないよ

新聞休刊日の月曜日ですが、

スポーツ新聞もテレビ・ラジオの朝番組も青いオオタニに染まっています。

昨日、名門ドジャーズに10年総額7億ドル=1015億円での移籍が報じられ、

一夜明けても、日本は赤から青への大騒ぎ(笑)

なんでも2024年のメジャー開幕戦、ドジャースは

ダルビッシュ有投手が所属するパドレスと韓国ソウルで対戦するそうで、

早くもソウルのホテルには予約が殺到、開幕戦以外のドジャース戦のチケットも

いきなり価格が上昇しているそうです。

早くもオオタニ効果が表れているわけですが、

さらに集客やグッズ売り上げなども爆上がりが期待されますから、

ドジャースにとっては7億ドルも決して高い買い物ではない、なんて、

また外野(笑)が勝手にワイワイ騒いでいます。

まあ、大谷選手のお話は、週明け月曜日を楽しくしてくれる。

10年契約かぁ・・・10年後の自分・・・どうなってる?

現在の年齢に10を足すと、あ~らら、なかなか立派なシニアよね~

とは思うものの、いまいち、実感はあるような、ないような。

そんな折、心に沁みる文章に出会いました。

昨日の朝刊に載っていた80歳女性の読者エッセイであります。

離れて暮らす長男が両親を心配してか、ふらっと実家を訪れた時のこと。

朝ごはんにきんぴらゴボウを作ろうとしたら唐辛子を入れ忘れる、

長女も加わった食卓で昔の思い出話に花が咲くが、自分はすっかり忘れていた。

息子が帰る日の昼食、パン食に合わせて

ウインナーとスナップエンドウをソテーして出したが、

スナップエンドウの筋を取り忘れたことに気づいたのは夕方になってから。

「息子は黙って食べて帰った後だった」と文章は結ばれていました。

タイトルは「忘れても、忘れても」

胸が詰まった。知らずに涙がにじんだ。

年齢を重ねれば、誰もが記憶がおぼろになる。

90代の我が母の胸のうちを知らされるようで、切なくなった。

忘れたくて忘れるわけじゃないのに、忘れる。

誰もが通る老いの道のりを思った。

そして、同時に、エッセイのタイトルの意味に励まされた。

「忘れても、忘れても」。

息子さんは固い筋のついたままのスナップエンドウを黙って食べた。

「筋ついてるよ」とか「固くて食べにくい」とか文句など全く言わず、

老いた母の心尽くしの料理を黙って食べた。

不安や戸惑いもあっただろうに、黙って食べた。

老いた母と息子の両方の気持が痛いほど胸に迫る。

久しぶりの帰省で息子にあれこれやってあげたい母心。

そんな母の心遣いが嬉しくも、心配がつのる息子。

家族だからこそ、言葉にできない思いがある。

忘れても、忘れても我が子を思う親心。

母が忘れても、忘れても、子は母を忘れない。

エッセイのタイトルをつけたのは編集部の方かもしれませんが、

「忘れても、忘れても」。胸を打つ。

子育ての日々が蘇ってくる。

牛乳こぼした、靴下かたっぽない、お弁当箱キッチンい出してない、

日々、叱ってばかりの母だったのに、

息子は小さな時から母の失敗を決して責めなかった。

とんかつがちょっと焦げても、お弁当にお箸を入れ忘れても、

「大丈夫、美味しいよ」と固いとんかつをガシガシかじり、

「大丈夫、先生が割りばしくれた」と母のミスを気にとめなかった。

きっと、この先、母が筋を取り忘れたスナップエンドウを出しても、

息子は、きっと、黙って食べるだろう。

老いては子に従え、と昔から言われますが、

親が子に学ぶことは多いのかもしれない。

誰もが、いつかは老いを迎える。

忘れても、忘れても、忘れないよ。

忘れないよ。

(写真は)

週明け月曜日の朝

街は白い雪化粧

美しい朝が来た

それだけで幸せだ