冬の華2023
鈍色の
初冬の空
はらはらと
天からの言葉を伝える
冬の華
ぽかぽか小春日和から一転、冬将軍がやってきそうです。
昨日は南から暖かい空気が流れ込み、札幌の最高気温は11.3度と
11月下旬としては史上2番目の容器となりましたが、
今日から真冬並みの寒気が入り込んで強い冬型の気圧配置となり、
日本海側や太平洋側では吹雪や暴風雪に警戒が必要だそうです。
今日から週末にかけて気温も急降下、
日中も氷点下の真冬日になる予想になっています。
いよいよ、とうとう、本気の冬将軍本隊が攻めてくるのですねー。
車のスノーブラシや雪かきスコップなど今一度点検しておかねば。
冬の嵐への警戒に身が引き締まる金曜日の朝、
北海道新聞朝刊の卓上四季に素敵な雪博士のお話が載っていました。
1936年3月12日、北大の低温研究室で人工雪を作ることに
世界で初めて成功した中谷宇吉郎博士であります。
比類のない雪の結晶の美しさに感動した中谷博士は
顕微鏡でさまざまな形の雪の結晶を観察しているうちに
「こんなに美しいものが誰の目にも止まらずに消えていくのが勿体ない」
そして思った。「雪が人工でできないものだろうか」。
何度も幾冬も失敗を繰り返し、装置を工夫、試行錯誤の結果、
ガラス管につるしたウサギの毛の先に世界初の人工雪を作り出したのです。
この秋、ガラス管やヒーターを組み合わせたシンプルな装置は
国立科学博物館の未来技術遺産に選定され、
そのレプリカは北大総合博物館に展示されているそうです。
中谷博士の偉業は世界の雪氷学や気温研究の原点とされますが、
同時に、雪博士は素晴らしい名文家でもありました。
自然の不思議や美しさに驚く心をみずみずしい感性で綴り、
「雪は天から送られた手紙」という名言を残しています。
科学研究のほか、絵画、科学映画などにも優れた作品を残した、
マルチタレントだった雪博士、こんな名文もありました。
「人間の眼が、いまの十倍か二十倍くらいに拡大されたら、雪山など
もったいなくて、とても歩かれないでしょう」。
うわぁ・・・雪降った~、雪か大変、道路は渋滞・・・などなど
北国の人間は冬の暮らしの厄介さにばかり目を向けがちですが、
そうですよね、雪博士、顕微鏡でのぞくみたいに雪が見えたら、
雪山なんて、もったいなくて、決して歩かれないと思います。
あんな美しい六花の結晶を長靴でガシガシ踏めなくなるよねぇ。
雪博士は「夜になって風がなく零下十五度単位になった時に
静かに降り出す雪は特に美しかった」と綴っています。
「キラキラと電燈の灯りに輝いて、結晶面の完全な発達を知らせてくれる」
そんな舞い落ちる雪を仰いでいると「いつの間にか自分の身体が静かに
空へと浮き上がっていくような錯覚が起きてくる」。
雪は美しい。
同時に災害にもつながる雪は時として怖ろしい。
自然への畏敬と憧憬を忘れずにこの冬も雪と暮らしていこう。
雪博士の名エッセイ集の題名が雪の魅力を一言で表しています。
「冬の華」。
北海道に
冬の華が咲く季節がやってきた。
(写真は)
鈍色の初冬の空。
天からの手紙には
何が書いているんだろう
できれば優しく降ってきてね



