ヨカヒトたちの祈り
時を超えて
静かに
受け継がれてきた
祈りのかたち
ヨカヒトたち
まさに、ライラック晴れ。
札幌の初夏は世界中に自慢したくなるほど素敵な季節。
今日もすっきりと爽やかな青空がひろがり、
大通公園では「ライラックまつり」」も開幕、
街は芳しい新緑と甘い花の香りに包まれています。
そんな素敵な季節ですが、心配なのはクマの出没。
昨日15日、コメンテーターとして出演させて頂いたHBC「今日ドキッ!」でも
中継をまじえて「道内クマ出没」のニュースを特集していました。
先週末から続くクマのニュース、これまでとは何かが違う。
幌加内町の朱鞠内湖では釣り人がヒグマに襲撃されたとみられる事故が発生。
また我が故郷室蘭市の住宅街では12日以降、7件のクマ目撃情報が相次ぎ、
番組でも生中継で現場の状況がリポートされていましたが、
「えっ?ホントにこんな街中で!?」と室蘭生まれも驚きました。
リポーターさんの手のひらよりも大きな足形が路上にくっきりとり、
すぐそばに公園のブランコがあるような閑静な住宅街が広がるロケーション。
他にもJR東室蘭駅や通っていた高校からもほど近い中島本町でもクマが目撃、、
大きな病院も商業施設が集まる市民にとってはまさに「マチ」の真ん中で、
まさか、室蘭に、クマ・・・!?と衝撃でありました。
が、工業都市のイメージが強い室蘭は、港の後背地の山が広がり、
尾根と尾根に挟まれた沢沿いに住宅地がある、実は自然と接近した都市。
そんな市街地と山林が接近して環境にあるのですが、
これまで、正直、「クマ」の存在を意識したことはありませんでした。
「春クマ駆除」が廃止された1990年以降の30年間でヒグマの個体数は増加、
生息域が拡大し、市街地に出没する件数も増えていると考えられるらしい。
今まで何となく、人間とクマの生活圏には境界線、ボーダーがあるように
思っていましたが、それは勝手な思い込みだったかもしれません。
クマの生息域を広げないように人間がもっと知恵を絞る必要があります。
自然の野生生物との折り合いをどうつけていくか、大きな課題ですね。
そんなクマ出没の記事が目立つ朝刊でしたが、
全国紙の紙面に興味深い記事が載っていました。
「潜伏キリシタン『聖香油』の壺か」。
潜伏キリシタンの地である長崎県の外海に信仰の対象として伝わる
古い壺がキリシタン大名小西行長の儀式にも使われた聖香油の壺と
みられることが長崎県の調査でわかったのだそうです。
壺は1699年前後に中国で作られた「華南三彩壺」で
長崎市の個人が自宅で保管、家長しか見ることができない秘蔵品、
代々「ヨカヒト様」と呼んで祈りを捧げてきたものでしたが、
何の壺なのかは不明で、昨年、長崎県が調査したところ、
底に「Escencia」との墨字が残っているのが発見されました。
これは「香油」を意味し、ミサで使われる「聖香油」とみられ、
1598年に長崎に上陸した日本司教セルゲイラが天草で小西行長に授けた儀式で
使われた可能性もあり、江戸幕府の禁教令以降、宣教師が追放され、
教会が破壊される中、密かに持ち出されたと考えられるとか。
聖香油の壺は司教が使うもの、おそらく壺の持ち主だったセルゲイ司教を
「ヨカヒト様(善き人=善人様)」と言い換え、信仰の記憶とともに、
代々、大切に伝わっていた可能性があるそうです。
迫害に耐え、信仰を貫き、密かに静かに受け継がれてきた「ヨカヒト様」、
それは人々の魂を支えてきた善き人の記憶。
「善き人のためのソナタ」というドイツ映画があります。
東西冷戦時代の東ドイツ秘密警察(シュタージ)の局員が主人公で
国家に忠誠を誓い、反体制の芸術家を盗聴、監視し続けるなかで、いつしか
心に揺らぎが生じ、内面に変化が起きていく長い年月を追った作品で、
アカデミー賞外国語映画賞を受賞しています。
彼が心を奪われるきっかけとなったのが、
盗聴対象の芸術家が弾く「善き人のためのソナタ」というピアノ曲。
作品のために作られたオリジナル曲ですが、その美しい旋律は
誰しもが心に秘めている「善き」何かを揺さぶる力があったのでしょう。
人は、祈る。
善き人であろうと、祈る。
迫害も災厄も乗り越えようと、祈る。
ヨカヒトたちの祈りの歴史に感動した朝。
(写真は)
初夏はサラダの季節。
近頃マイブームの
サラダ・ニソワーズ
心と身体が喜ぶサラダ


