クンプとクーブ
おいしくて
栄養豊富な
海の恵みが
北から南へ
クンプとクーブ
「コロナ5類」「コロナ対応『平時』へ」
週明け5月8日の朝刊各紙一面の大きな見出しが目を引きまます。
新型コロナウィルス感染症の感染法上の位置付けがこれまでの
「2類相当」から季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行しました。
2020年1月に国内初の感染者が確認されてから約3年4か月、
大きな節目を迎えましたが、この3年4か月に経験したこと、学んだこと、
そして検証すべきことはいっぱいです。健やかな社会に向かって
きょうからは個人の判断が大切になってくるのですね。
よく寝て、よく笑って、よく食べること。
まずは自分のできることをコツコツと続けていきたいもの。
というわけで、5類移行前の週末は免疫力アップもかねて
栄養豊富な沖縄郷土料理まつり。
昨日ご紹介した春にんじんのしりしりと、もう一品、
これも沖縄の家庭料理の超定番「クーブイリチー」であります。
「クーブ」は昆布、「イリチー」とは「炒め煮」という意味で
昆布を豚肉やかまぼこなどともに煮込んだ「昆布の炒り煮」のこと。
結婚式などのお祝い事や普段のお惣菜としても欠かせないお料理・
昆布の生産地北海道よりもダントツに消費量が多いのが沖縄。
寒流の親潮が流れる北の海で育つ昆布は沖縄では採れないのに、
なぜ、南国沖縄でクーブイリチーのような昆布料理が愛されているのか、
昆布をたくさん消費する食文化が根づいたのには歴史的な背景があります。
琉球王国時代から北前船によって蝦夷地から運ばれてきた昆布は
中国との進貢貿易(冊封)の貴重な献上品となっていましたが、
1609年薩摩の武力侵攻によって中国やアジア圏との藩の貿易拠点となり、
琉球の砂糖を大阪や下関で昆布に替え中国へ運び、
代わりに漢方薬などの唐物を入手し薩摩の繁栄を築いていったのでした。
この貿易の中で仕入れすぎて余ったものや貿易品として使えない昆布が
琉球の一般庶民の手に届く値段で流通していったことから、
かつては王朝料理に使われる貴重品だった昆布が
沖縄の郷土料理として美味しく食べる文化が育ったとされています。
北の昆布が南の沖縄郷土料理と花開いた歴史をかみしめながら、
さあ、野宮的クーブイリチーを作りましょ。
沖縄旅で仕入れストックしておいたクーブイリチー用の切昆布を水で戻し、
豚肉を炒め後に加え、さつま揚げ、糸こんにゃく、椎茸の薄切りも投入、
一番だしと醤油、酒、味醂と三温糖を加えて、汁気がなくなるまで
イリチー(炒り煮)したら「クーブイリチー」の出来上がり。
昆布の黒が映える真っ赤なやちむんの器に盛りつけ、
さあ、いっただっきまーす!
パクリ・・・う~ん、やっぱり、めっちゃ美味し~~~い!!!
昆布のグルタミン酸とかつお出汁や豚肉のイノシン酸の相乗効果で
ノックアウトされそうなほ旨み倍増、3倍増、ほんと美味なり。
ちなみに「昆布」の語源は南方系アイヌ語の「クンプ」といわれます。
また紀元前の中国の古文書には「綸布(くわんぶ)」と昆布らしき名が記され、
万葉集にも「軍布」なる名前も登場、のちに沖縄に昆布が入った時には
すでに「昆布」の文字が用いられ、沖縄の人々は「クーブ」と発音したらしい。
アイヌ語の「クンプ」と沖縄の「クーブ」
日本列島の北と南に離れているのに、
なぜか北海道と沖縄には不思議なご縁、親和性がある。
北のクンプがいつしか南のクーブへ。
クンプとクーブ。
美味しい食文化のご縁に感謝しながら
クーブイリチーをしみじみいただく五月だった。
(写真は)
北と南のおいしいコラボ
「クーブイリチー」
北海道の昆布で作る
沖縄郷土料理♪


