幻のカステラ

長崎の人も

入手困難

めったに買えない

半年待ちの逸品

幻のカステラ

2022秋の福岡旅リポート~長崎編その⑬

晩秋の週末2泊3日で訪れた福岡旅、初日は博多の歴史、文化、グルメを満喫、

2日目は開業1か月の西九州新幹線で長崎日帰り弾丸ツアーを決行、

滞在時間7時間、路面電車で長崎の見どころを巡りました。

鎖国時代に唯一開かれた「出島」、潜伏キリシタン「信徒発見」の舞台である

「大浦天主堂」、開国後の長崎の歴史を偲ぶ「グラバー園」とまわって

お昼は日本最古の中華街「長崎新地中華街」でハトシやちゃんぽん、

皿うどんなど長崎グルメを楽しみ、再び路面電車で風情ある寺町界隈へ。

長崎の街を見下ろす風頭山の中腹に坂本龍馬が設立した亀山社中があり、麓には

寺社が立ち並ぶ寺町通が続き、それらのお寺に通うために中島川に架けられた

多くの橋の一つが最も有名な日本最古のアーチ型石橋「眼鏡橋」。

川面に映るまんまるメガネの橋は日本の夜明けの光を見た龍馬さんのように

日本の、長崎の、未来を見通しているかのようでした。

ホントは亀山社中記念館とか幕末の志士が集った史跡料亭花月とか

長崎を「希望」と呼んだ龍馬さんの足跡をたどりたいところですが、

限られた滞在時間、またの再訪を心に期して、

食いしん坊にとっては、ある意味、今回の長崎旅最大ミッション、

「幻のカステラ」を求めにまいりましょう。

室町時代後期にポルトガルから長崎に伝わり、

今なお日本人に愛される長崎の伝統銘菓「カステラ」。

長崎市内にはカステラの名店が多数存在しますが、

実は長崎の人も入手困難とされる「幻のカステラ」があるのです。

そのお店こそ、天保元年創業の「岩永梅寿軒」。

昔ながらの製法で作られるカステラは数量限定のため売り切れたら終了。

運よく予約できたとしても注文日から2~6か月待ちの受け取りで、

店頭ではその予約分より多くできた数だけ販売されているので、

日によって販売本数は異なり、当日ゲットはほぼほぼ困難。

地元の人にとっても岩永梅寿軒のカステラは、まさに「幻」。

しかし、甘いもん好きの旅人、長崎行きが決まった時点で即行動。

一時はオンライン予約を受け付けていたようですが、アクセス集中したためか、

現在は停止中、う~ん、ダメもとで、お店に直接電話をしてみた。

「もしもし、岩永梅寿軒です」朴訥で誠実そうな男性の声が出てくれました。

ご主人?熟練の職人さん?その両方かもしれない声の主に、おずおずと

「あの、カステラの予約ってできますか?」と尋ねると

「はい、いつ頃、何本ご入用ですか?」とのお答えが!!!

受け取りまで1か月ほどしかなかったのですが、

なんとラッキーなことに必要な本数を無事予約することができたのです。

旅の神様、カステラの神様、ありがとう!

超レアな半年待ちの入手困難な「幻のカステラ」が買えるぞぉ~!

てなわけで、長崎旅の大きなお楽しみ、重要ミッションへいざいざ。

眼鏡橋から歩いて1,2分もすると、

昔ながらの懐かしい雰囲気の「仲通リ商店街」が見えてきました。

長崎でも最も古い商店街にひときわ際歴史を重ねた趣ある町家が。

天保元年(1830年)創業の「岩永梅寿軒」です。

黒塗り漆喰と鉄扉の風格ある建物は明治35年に3代目当主が建造したもの。

この歴史ある町家で幕末の創業から守り続ける伝統の技法で

「幻のカステラ」が作られているのです。ありがたくて涙出そう(笑)。

はやる心、ドキドキしながら、お店の中へ。

歴史を刻んだ木のケースに数種類の和菓子が並んでいますが、

確かに・・・どこにも・・・カステラの姿は・・・ない。

時刻は午後1時過ぎ、本日の店頭販売分はとっくに売り切れらしい。

「いらっしゃいませ」清潔な白衣姿の店員さんが笑顔で迎えてくれる。

「あの、カステラを予約していたのですが・・・」と名前を伝えると

「はい、0.7号と1号ご予約の○○様ですね」と即答、

予約注文した分を丁寧に紙袋に入れて渡してくれました。

ずっしりと手に感じるカステラの重み。

「幻のカステラ」は「幻」じゃなかった、ちゃんと重たい、実在した(笑)

老舗あるあるでお会計は現金のみ、予約できた人はご注意下さいね。

長年、ずっと気になっていた「岩永梅寿軒」のカステラをついに入手、

北海道から飛行機、新幹線乗り継いで弾丸日帰りで来た甲斐がありました~。

カステラの重みを感慨深くかみしめながら歴史あるお店の中を眺めると

長い時を刻んできた柱時計の下に大きな円型の鉄板がありました。

ゆうに直径1mは超える両手でも抱えきれない大きさの赤錆びた鉄板は

昔のカステラ窯の丸窯の上鉄板だそうです。

なるほど上下から火を入れることであの美しい焼き色ができるのね~。

お店の外に向けた飾り棚には色鮮やかな砂糖菓子が飾られています。

お盆の飾りや精霊流しなどに使われる長崎伝統の盆菓子や

長崎くんちの「庭見せ」で使われるおめでたいお面型の「花菓子」。

「岩永梅寿軒」は長崎の歴史と文化を甘く物語る老舗なのでした。

歴史ある街には

歴史あるおやつがある。

幻のカステラがあるこの商店街もまた

タダモノではなかった。明日へと続く~♪

(写真は)

天保元年創業

「岩永梅寿軒」

半年待ちの幻のカステラ、

運よくゲット!