甘柿色の秋

赤く熟した

実の色は

朱色のような

夕焼けのような

甘柿色の秋

昨日は敬老の日。

90歳を超えた母のところへささやかなお祝いを届けました。

ワインレッドの大輪のダリアや吾亦紅をあしらった花束と

円山の和菓子屋さんでみつくろった秋の和菓子などなど。

いつまでも元気で健やかにと願いをこめて

母が大好きなスタバのエスプレッソ豆で温かいコーヒーを淹れて、

持っていった和菓子でしばしのおやつタイムを楽しみました。

どれもめっちゃ美味しくて、特に絶品だった季節の和菓子にぞっこん、

円山で人気の老舗和菓子屋さん「嘉心」の今月の和菓子で

その名も秋らしい「柿の葉餅」であります。

渋い色目の柿の葉に赤く熟した柿を思わせるお餅が包まれたお菓子。

柏餅の秋ヴァージョンという感じですが、一口食べたらもう驚き。

もっちりした焼皮生地の中には柿の風味がするはんなりした白餡が。

どうやら刻んだ干し柿が練り込まれているようです。

見た目も味も秋らしいお餅にほのかな柿の葉の香ばしい香りが映り、

まさに五感で季節を感じさせる逸品でありました。

さらに美しいのが焼き皮生地の色。

赤く熟した柿の実を写したその色はまるで秋の夕焼けのようです。

この色をなんと表現すべきか、「日本の色辞典」で調べてみると・・・

あ、ありました、この色だ!

その名は「柿色」。

そのものずばり、ダイレクトな名前が付いていましたよ。

真っ赤というよりは黄味の強いオレンジがかった朱色に近く、

ほんのりくすんだ色味がなんとも趣があります。

ちなみに歌舞伎の世界での「柿色」は

茶色がかった色で「渋柿色」ともいわれますが、

この柿の葉餅の柿色は、甘く熟した「甘柿色」と呼べそうですね。

日本の秋にお似合いのゆかしい色であります。

年老いた母と秋の景色を映した和菓子を楽しむひととき。

ワインレッドのダリアと吾亦紅に

穏やかな秋の光がやさしく注いでいました。

甘柿色の秋に、ただ感謝。

(写真は)

円山「嘉心」の

柿の葉餅と芋羊羹

甘柿色がいとおかし