パンと塩
食べるものに
困らないように
元気で暮らせますように
心をこめて贈る
パンと塩
3月11日の朝です。
2万2000人以上が犠牲になった東日本大震災から11年。
避難生活を送る人は福島の被災者を中心になお3万8139人にのぼり、
避難先で体調を崩すなどして亡くなった震災関連死は3786人だそうです。
鎮魂の3月に世界は揺れています。
ウクライナの原発への武力攻撃、そして電源喪失のニュースに
もう、悪い夢かと思いました。
見えない放射能に冒された故郷をまた作ろうというのでしょうか。
「水道も電気もない、人々は雪解け水を飲んでいる」。
ウクライナに入った国境なき医師団の医師が訴えていました。
障害のある人や一人暮らしのお年寄りは食べ物を調達することも
食事を作ることもできずにいると。
停戦交渉が何度も続けられていますが、
その間にも、命が失われ、命の危機にさらされる人々が増えていく。
居ても立ってもいられない気持ちになります。
戦いが終わることを祈るしかない3月11日。
そんな朝、朝刊の連載小説にこんなことが書かれていました。
「ドイツには引っ越した人に塩とパンを持っていく風習がある」。
引っ越し祝いはお守り袋みたいな小さな麻の袋に詰めた塩と
がっしり食べ応えのあるドイツのパンを贈るのだそうです。
パンには「食べ物に困らないように」という願いが込められ、
その昔貴重だった塩は「富と繁栄」の象徴なんだとか。
新しい場所で新しい暮らしを始める人の幸せを祈る贈物。
パンと塩。
ヨーロッパの人々にとっては日本のお米と塩と同じようなもの。
生きていくために必要な命の糧なのに、
爆撃され瓦礫と化した街では手に入れることができない。
恐怖におびえながら、今日、今朝食べるものにも事欠く人々がいる。
想像できないのだろうか。
攻撃を指示する人、遂行する人も、人間なのに。
神様から想像する力を与えられているはずなのに。
人々が安心して食べ物を得られる日々が一日も早く訪れますように。
どうか、
パンと塩を。
(写真は)
帯広のますやパン
「麦音」のパン
北海道小麦をかみしめ
平和を祈る

