スープと宿題

魚のスープ

算数の宿題

日常の暮らしが

大切なことを

教えてくれる

人の暮らしの中に真理がある。

北海道新聞の卓上四季が冒頭にチェコの古い諺が引用していました。

「魚からスープを作るのは造作ないが、スープから魚を作るのは難しい」。

出来上がったものを元に戻すのは困難だという教訓。

民主主義や自由の価値も一度全体主義や独裁体制に取って変わられると

取り戻すことは容易ではない。諺に通じる警鐘を鳴らしたのは

1歳でナチスドイツの侵攻で故郷プラハを追われ、終戦後帰国するも

共産党政権の誕生でアメリカへ亡命したオルブライト元国務長官。

先日84歳で亡くなったリベラルな政治家は

ホロコーストで祖父母も失くしていたそうです。

大切に積み重ねてきたものを、暴力によって奪われてならない。

平和な日常の一コマである魚のスープが無言で語る真理です。

さらに今朝の天声人語では心に残る映画の台詞を紹介していました。

今、この時代だからこそ、さらにはっとするそんな言葉も。

「戦争を商売にしている人たちに比べれば、

私は殺人者としてアマチュアです」

チャプリンの「殺人狂時代」の中の台詞です。

また、先日のアカデミー賞脚本賞に輝いた映画「ベルファスト」からの

印象的な言葉が紹介されていました。

1969年、プロテスタント側とカトリック側に分断、

激しい衝突が起きた北アイルランドのベルファストに住む少年。

彼の算数の宿題を手伝いながら祖父が呟きます。

「答えが一つなら、紛争など起きんよ」。

算数の問題のように解答が一つなら、争いはないのに。

だが、ある人の正義と別の人の正義がぶつかれば、

建物が、暮らしが破壊され、血が流れる。

魚のスープと宿題。暮らしの一コマに真理が宿る。

故郷へ戻り、

温かいスープを家族で囲み、

子どもは算数の宿題をする。

そんな春が何より必要なんだ。

(写真は)

桜餅とぼたもち

のどかな景色が

心を癒す