そばにいるよ
ふわふわで
あったかくて
やわらかくて
ただそっと
そばにいるよ
氷点下の寒さに凍えながら故郷を逃れてきた子どもたち。
不安に揺れる瞳が、ぱっと笑顔になった。
ふわふわで、あったかくて、やわらかい「ともだち」が待っていた。
それは、ぬいぐるみのプレゼントだった。
連日のウクライナ侵攻を伝える辛いニュースのなかに
一瞬、ほっと、心が和む映像がありました。
ウクライナの人々が軍事侵攻から逃れてきたポーランドの避難所で
子どもたちへの救援物資としてたくさんのぬいぐるみが用意されていたのです。
クマやウサギやキャラクターなど多種多様な色とりどりのぬいぐるみが
大きなバスケットにわんさか詰め込まれ子どもたちを待っていました。
寒さと恐怖と不安に固まっていた子どもたちの表情が
たくさんのぬいぐるみを目にした瞬間、ぱっと輝きました。
どの子も、それは嬉しそうに笑顔でお気に入りを手に取り、
抱きしめたり、顔をすりつけたり、手を引くママに見せたり。
それは、戦場から逃れるという異常事態を幼いなりに理解し、
どんなに怖くても泣くことも駄々をこねることも封じ込めていた彼らが、
長い逃避行の途中で、一瞬だけ、子どもに戻れた瞬間だった。
戦争は、子どもを、無理やり大人にしてしまう。
ぬいぐるみを手にした笑顔にほっとすると同時に、
そんな彼らが着の身着のまま、くまさんやうさぎさんを握りしめて、
今夜どこで眠れるかわからない避難を強いられている現実を思うと
たまらなくなった。
食べ物や水や薬や毛布と同じだけ、子どもたちには
ふわふわしてあったかくて抱きしめられる「友だちが」必要なんだ。
ぬいぐるみに触れることで幸せホルモンと呼ばれるオキシトシンが分泌され、
心を癒す効果があるとも言われています。
箱庭療法の一種に「ぬいぐるみ療法」というセラピーがあり、
ぬいぐるみに触れたり、抱きしめたり、そばに置いたり、自由に関わるだけで、
ため込んだ心の痛みが自然と和らいでいくのだそうです。
うまく言葉にできない不安や恐怖をぬいぐるみが受け止めてくれるのだ。
怖いよね。眠れないよね。
寒いよね。パパに会いたいよね。
でも、ふわふわのボクは、ずっとキミといるよ。
そばにいるよ。
救援物資のぬいぐるみの声が聴こえたような気がした。
(写真は)
小さなくまさんビスケット。
ぬいぐるみと甘いおやつを
今すぐ届けたくなる。

