ほな、したっけね
ほな
クロン
Voila’
したっけね
やさしい言葉
真冬日になりそうな立春です。
札幌の予想最高気温は氷点下1度、春なのに真冬日(寒)。
それでも立春は立春、暦の上だけでも春になったかと思うと、
ちょっと心はぽかぽか、気持ちも上向きますね♪
「ほな」
そんな立春の朝刊1面に短く温かくやさしい言葉が載っていました。
哲学者鷲田清一さんの連載コラム「折々のことば」、
今朝、選ばれた言葉が「ほな」。
「それなら」を意味する大阪弁「ほんなら」の縮約形で、
出典は田辺聖子の「人生は だまし だまし」から。
「たのしい時間を仰山もろうてありがとう」と万感込めて、
あっさりと「ほな」が人生最上の逝き方だと作家は言う、と。
「ほな」。
短くも温かくやさしい響きに満ちた言葉で
抗いがたい運命である人生最後の別れの挨拶をする。
旅立つ人も送る人も、なんだか救われるような気がする。
外国語にもそんなやさしい言葉がありますよね。
たとえば、韓国語の「クロン」。
「そうしたら、それでは」などの意味がある言葉で
韓国映画やドラマの会話中によく耳にします。
ちょっと語尾を上げ気味に発音される「クロン」、
なんとも温かくやさしく、ちょっと愛らしい響きがあって、
韓国語はよくわからないけれど、とても惹かれ、調べてみると、
会話のアクセントになる重要な言葉で独り言でもよく出るそうです。
でも、不思議なことに文字や文章ではあまり使われなくて
もっぱら会話オンリーの言葉なんだとか。
「ほな」と同じように人と人の間をつなぐ役目があるのでしょうね。
お互いの会話に心地よいリズムを与えてくれるやさしい言葉。
フランス語にも似たような言葉があります.
「Voila’(ボアラ)」。
パリを旅した時、お店の人などがよく口にしていて、
その愛らしい響きがとても心地よかったことを覚えてます。
パン屋さんや雑貨屋さんなどでお買い物、商品を手渡してくれる時など、
こちらの目を見てにっこり微笑み、「「Voila’(ボワラ)」。
「はい、どうぞ」というニュアンスで使われていたようですが、
そのほか「そう、その通り」「そうなんです」「ほら、じゃじゃ~ん」など
さまざまな会話の場面で肯定的に話を進める際に使われるようです。
人と人をつなぐ柔らかな潤滑剤のようなやさしい言葉。
「ほな」「クロン」「Voila’(ボワラ)」
国が違えども同じような言葉があることがなんだか嬉しい。
そうだ、北海道にも、らしい言葉があったな~。
北海道民は「さよなら」の代わりにこう言います。
おおらかな笑顔で「したっけね~♪」
本来は「じゃあ」「そうすると」「そうしたら」という意味の接続詞ですが、
別れの場面で「そいじゃ、またね~」「元気でね~」「また会おうね~」等々、
実にユーティリティーで便利な挨拶として使われることが多いようです。
会話を分断しないでアクセントをつけてくれるやさしい言葉。
人は人が好きなんだ、面と向かって会話したい生き物なんだ。
そんな人間の根源的な欲求が感染症のために抑えられている今、
短く温かくやさしい響きがことさら心に沁みる。
ほな、したっけね~。
みんな、元気でいてね。
(写真は)
昨夜2月3日
西の夜空に
きれいな三日月
春は来る

