王様のお菓子

ふわり

たちのぼる

優しい

卵の香り

王様のお菓子

今年も残すところあと3日。いよいよ気ぜわしい気分に。

井原西鶴の「世間胸算用」では大晦日一日の慌ただしい世間の様子を

悲喜こもごもの人間描写を軸に描いていますが、

大晦日のカウントダウンに向けてわさわさしてしまう気質は

江戸時代も今も変わらないわけで、

日本人のDNAに刷り込まれているのかも(笑)

何ごとも無理せず、出来る範囲で、と思いながらも

大掃除にお正月の買い出しなどなど、

まるで仕事のようにスケジュールを組んでしまう自分(笑)

特に帰省も来客の予定がなくても、なんか頑張っちゃう。

やはり「世間胸算用」的DNAだろうか(笑)

しかしですね、年々、大掃除症候群が顕著になる。

テキトーなくせに頑張っちゃうめんどくさい性格なもんで、

大掃除、始めてしまうと根を詰めてあそこもここも精を出し、

その結果、イテテ・・・!体のあちこちが悲鳴をあげるのだ。

先日は背中の筋肉、その次は腕、昨日はなぜか内転筋が、ちょっと痛い。

大掃除は全身運動なのだな~と妙に納得しながら

お風呂上り、筋肉が張った場所にバンテリンを塗り塗りする昨今。

まあ、これもある意味、年の瀬の風物詩(笑)。

それだけに大掃除を終え、温かい紅茶を淹れて、ほっと一息、

甘いおやつでエネルギーチャージするひとときは至福のひととき。

頑張ったご褒美に、王様のお菓子でお茶タイム。

先月の沖縄弾丸ツアーで仕入れたやんごとなき一品。

その名は「ちいるんこう」。

琉球王朝時代、中国から伝わった蒸し菓子で

当時貴重だった鶏卵をたっぷり使い、赤く染めた落花生や

伝統的な柑橘ピールである橘餅=きっぱんなどを載せて作られます。

「ちいるんこう」「ちーるんこう」「チールンコー」などと呼ばれますが、

どれも漢字で書くと同じ「鶏卵糕」となります。

貴重な卵をおしげなく使ったことをまんま表す名前、

王族や貴族だけが食べられた格調高い、王様のお菓子だったわけです。

が、時は2021年、令和3年の年の瀬。

大掃除に疲れた庶民のお口にも入るのよね~。ありがたい。

新垣カミ菓子店のそれは「チールンコー」と大きく書かれた横に

「伝承手作りお菓子 鶏卵糕」とありました。

以前の沖縄旅の際、お店の作業場の中に入らせて頂き、

実際に作るところを見せてもらったことがあるのですが、

本当に驚くほどたっぷりの卵黄を惜しげなく使って、

本当に機械は一切なしの手作りで蒸しあげていました。

黄金色に近い美しい卵色の蒸しケーキの上に

甘い落花生とオレンジ色のきっぱんがちりばめられています。

密封されていた袋を開けると・・・ふわぁぁぁ!

優しい卵の香りが鼻腔をくすぐる。

見た目はパウンドケーキにも似ていますが、

バニラエッセンスなどの香料や洋酒などは使わず、

卵とお砂糖と小麦粉だけの昔ながらの製法ゆえ、

王様しか食べられなかった卵の実力をひしひし感じられます。

チールンコー=鶏卵糕

優しい甘さが大掃除の疲れを優しく癒してくれる。

王様のお菓子を頬張って、さあ、もうひと頑張り。

大晦日までがんばりまっしょい!

(写真は)

琉球王朝の伝統菓子

「チールンコー=鶏卵糕」

ちんすこうの原型との説も。