灯台もと寂し
こしのある麺
鰹節と豚骨だしに
とろとろソーキ
沖縄ソウル麺
灯台もと寂し?
「沖縄そば苦境」
先日の新聞の経済面の気になる見出しが載っていました。
そば粉をまったく使っていない小麦粉めんに鰹節と豚骨のあわせだし、
とろとろソーキや三枚肉が乗った「沖縄そば」は戦後、
全国に浸透した沖縄の郷土色、沖縄のソウルフード。
沖縄観光で食べて好き鳴って、自宅でも作って食べる人も増え、
沖縄産品を扱う「わしたショップ」では常に売り上げ上位、
ちんすこうや紅いもタルトなどの「焼き菓子」に次ぐ2位という人気ですが、
意外に、地元では食べられなくなっているのだそうです。
昨年度の沖縄そばの生産数は228万食で調査が始まった1976年以来、最低で
ピークの2006年度の半分以下と減少傾向に歯止めがかからないらしい。
コロナで観光客が減少、県内の飲食店の需要が減った影響もありますが、
どうも、原因はそれだけではないようで。
それは、ライバルの台頭。
讃岐うどんや博多ラーメンなどのチェーン店が県内に進出、
かつては近所のなじみの沖縄そば店に通っていたケンミンたちが行列、
外食で沖縄そばを食べることがめっきり減ってきたらしい。
さらに、子どもの頃、土曜の昼ごはんは母親手作りの沖縄そば、
そんな風景も、今は昔のようで、豚バラ肉を湯引きしたり、
かつお節でだしをとったり、手間がかかる沖縄そばは
家庭ではあまり作られなくなっているのでした。
沖縄そばの苦境は総務省の統計にも表れています。
商品の値動きを示す消費者物価指数(CPI)は「経済の体温計」と呼ばれ
景気動向をつかむ代表的なデータですが、
実は沖縄県だけで特別に調べる品目がありました。
1972年の本土復帰後にCPIの調査に加わった沖縄には
本土にはなかったり、価格設定が異なる商品などがあり、
それら17の商品やサービスを「沖縄品目」としてCPIに採用したのですが、
時がたつにつれて沖縄品目が調査対象が除外されていきます。
「食塩」「ウイスキー1,2級」「はまだい(魚)」などが
除外や全国品目に変更され、2015年には「にがうり(ゴーヤー)」が
全国品目に変更、確かにゴーヤーは全国で、北海道でも栽培されて、
ゴーヤーチャンプルーはもはや全国区のお料理になりましたもんね。
で、今年2020「ゆで沖縄そば」「沖縄そば(外食)」が
「ポーク缶詰「とうが(冬瓜)」とともに除外され、
これで当初の17の「沖縄品目」はすべてなくなったのです。
消費量が減ったり、本土との価格差が小さくなったりして
特別に調べる意義が薄れたから、という理由。
沖縄経済の専門家は「戦後貧しかった時代の沖縄で
米や豚肉の代用品の側面もあったポーク缶や沖縄そばも半世紀を過ぎて
歴史的な役目を終えた」との見方を示す一方、「沖縄そばは全国で
市民権を得た、それは誇るべきことだ」とも語っています。
確かに消費面での差はこの半世紀で小さくなったのでしょう。
でも同時に、沖縄らしい食文化が、
他の県と変わらなくなってしまうようで、なんだか寂しい。
沖縄を歩けばどんな小さな離島でも、食堂で沖縄そばが食べられる。
ラーメン屋や蕎麦屋やうどん屋は一軒もなくても沖縄そばは絶対あって、
しかも、どこで食べても、大体、間違いなく、美味しい。
沖縄で麺と言えば沖縄そば、だったのに・・・。
これが、食の均一化、という現象なのでしょうか。
勝手な旅人の感傷かもしれない。
でも、沖縄そばが地元では苦境とは、なんだか悲しい。
沖縄そばの聖地、灯台もと寂し・・・。
あ・・・急に食べたくなってきた~~~。
(写真は)
沖縄そばに愛をこめて
絶品「浜屋そば」の勇姿を。
とろとろ軟骨ソーキと
薄焼き卵が懐かしい



