試読の幸せ

ふむ、

ちょっと気になる

この題名、この作者、

ちょっとパラパラ

試読の幸せ

わかる、わかります、同感です!

今朝の天声人語を読みながら、何度もしつこくうなづいてしまいました。

文庫本のフィルム包装に関するお話であります。

本好き、読書好きにとっては、これ、無関心ではいられません。

講談社が今月15日発売分の「講談社文庫」と「講談社タイガ」の2レーベルで

透明なフィルム包装を始めました。

「消費税を含んだ総額表示に対応するため」だそうで、

3月末で消費税額を含んだ支払い総額の表示義務の免除期間が終わったため、

フィルムの上にシールで税込みの値段を貼ることになったらしい。

書店や消費者からはさまざまな反応。

「きれいなままで購入できるのはうれしい」という歓迎する声もあれば、

「立ち読みを通した本との出会いの機会が減ってしまう」と残念がる声も多く、

天声人語氏も激しく悲しがっていました。

「いやいや選ぶためのちょい読みすらできないのは悲しい限りだ」。

既に漫画本では既に2013年からフィルム包装で出荷されていますが、

文庫本や小説までもが一時的な措置に留まらず

いつもにか定着してしまったらと想像すると、本当に悲しい、困る、淋しい。

本屋さんをクルージングする楽しみがなくなっちゃう。

ふわふわ、ゆらゆら、あてもなく書店内を自由遊泳しながら、

ふと目に着いた題名、気になっていた作者、好きな作家の新刊などなど

ちょっと手に取りパラパラ、目次を眺め、表紙扉の著者紹介を読み、

冒頭の文章を読んで、いま自分が読みたい本がどうか確かめる楽しさよ。

それが、ぴったり透明なフィルムで本が覆われていたら・・・悲しい。

なんだか、本の方から、無言で拒否されているようで・・・悲しい。

どんな本かもわからず、お互いの相性も確かめられず、

さあ、どうするの?買うの?買わないの?と

判断を迫られているようで・・・切なく、淋しく、悲しく、辛い。

漫画本はとっくにフィルム包装だからいいじゃない、とも思えますが、

これが・・・なんというか・・・微妙に違うんだよねぇ。

私なんか読むのが相当早い方だから、漫画本はその気になれば

書店で1冊立ち読みできちゃうからね(もちろんしないけど)、

それはフィルムでガードした方がいいかもって思うのよ(笑)。

でもね、文庫本や小説は丸ごと立ち読みなど不可能。

書店での本文ちょい読み、帯のコピーや解説の拾い読み、書店員さんのPOP、

たくさんの本の森の中で、さまざまなちょっとしたきっかけによって、

思いがけない出会いや発見があるから、本屋さん巡りは楽しいのだ。

本がみんなフィルム包装になってしまった近未来を想像すると、

本好き、読書好きは、透明フィルムで窒息しそうになってしまう(涙)

「書店で本を選ぶのは、服を試着するのに似ている」。

天声人語氏の指摘に深く深くうなづいてしまう。

サイズや色合いや微妙な質感や着心地、来た時の気分、

ネットショッピングではわからないことが試着では確かめられる。

全国の出版社に心からお願いしたい。

どうか、本をみんな、フイルムで包まないでください。

本好きに、ぱらぱらちょい読みを。

われらに試読の幸せを。

(写真は)

桜大福を片手に

書店で偶然出会った文庫本を開く。

はじめての作者、すごく面白い。

それだけで、物凄く幸せ。