九九の呼吸
いんいちがいち
ににんがし
さざんがきゅう
漏れ聞こえる
九九の呼吸
ふ~む、なるほど、まさに現代の情景が見えてくる。
「テレワーク 九九の呼吸が 漏れ聞こえ」。
第5回「オリックス働くパパママ川柳」の大賞に輝いた一句です。
子どもの九九をBGMに在宅勤務、まさに、今、ですねぇ。
「『テレワーク』や『呼吸』」といった時代を切り取るフレーズを取り入れ、
自宅で子どもを身近に感じながら仕事に奮闘する様子を表現」したことが
評価されての大賞受賞となったようです。
家族と向き合う時間が増えたこの1年を
17文字でリアルに写し取った作品、お見事です。
小学生だった息子が九九を一生懸命唱えていた頃を思い出します。
「いんいちがいち・・・ににんがし・・・さざんがきゅう・・・」
調子よく進んでいたかと思えば、七の段あたりでつっかかったり(笑)、
九九は子どもにとっても親にとってもかなり大事な通過儀礼だった。
な~んて、今となってほのぼの思い出せるのも、
息子の九九に付き合ったのは、完全オフのおウチ時間だったから。
自分の仕事とは切り離された時間、空間だったから
つっかえつっかえの九九に付き合う余裕があっわけで、
もし、アレがテレワークの背中越しに聴こえてきたとしたら、
う~ん、つっかえる度にキーボードをミスタッチしそうだ(笑)
職住接近どころか、職住同居のテレワーク時代、
時に大変なことも笑いながら分かち合うことが大切なのですね。
マニュアルや仕様書通りにいかないのが子育て。
働きながらのリアルな子育ての心情を見事にとらえた作品もありました。
「パソコンも 子もフリーズの イヤイヤ期」。
こちらの気持ちなど忖度なしの手も足も出ない状態、
確かに、パソコンのフリーズと子どもイヤイヤ期、よく似てる。
まあ、どちらも一旦電源を切って、再起動、しかない(笑)
パソコンはパソコンの事情、愚図る子は子なりの事情があるわけで、
フリーズ状態を解凍するには、親も気分一新、再起動。
深呼吸をして、ちょっと時間を置いて、ぎゅっと抱っこしたり、
おさんぽに行ったり、お手伝いをお願いしたりと再起動、ね。
子どもの九九をBGMに家で仕事したことも
きっと、そのうち、かけがえのない思い出になる日がくる。
いや、感染が収束してもテレワークが定着して
九九の呼吸を聞きながらの仕事が当たり前になるのかもしれない。
そういえば、こんな入賞作品もありました。
「オンライン 画面の下は 秘密基地」
テレワークのパソコンの下は子どもたちのベースキャンプなのね(笑)
17音でとらえた社会の変化、川柳は雄弁だ。
(写真は)
桜前線は津軽海峡横断中。
北海道上陸もカウントダウン。
家の前の桜並木のつぼみ
豆電球みたいに膨らんできたよ

