200年の奇跡

朝だよ、春だよ

チュンチュン♪

電線にとまった

鳥たちのさえずり

実は、200年の奇跡

朝から気持ちよく晴れ渡った青空が広がっています。

空の青さが、光の明るさが、もう、春ですねぇ。

大倉山の雪も少なくなってジャンプ台だけがくっきり白い。

春がぐんぐん近づいているのを実感します。

チュンチュン♪チュンチュン♪

どこからかご機嫌よいスズメの鳴き声が聴こえてきます。

ベランダから姿は見えませんでしたが、春だよ~と喜んでいるみたい。

まもなく桜並木沿いの電柱めがけて飛んでくるかもね。

都会の鳥たちは、電柱がお好き。

今朝の天声人語で興味深い著書が紹介されていました。

タイトルは「電柱鳥類学」。

電柱をこよなく愛し、スズメやカラスなど都市に暮らす鳥たちを研究する

鳥類学者三上修氏が鳥と電柱の関係を解き明かした著作です。

電線に止まった鳥たちはのんびり休んでいるように見えますが、

実は鳥たちにはそれぞれ、さまざまな理由があるらしい。

スズメやハクセキレイなどは電線の見晴らしの良さを活かし、

もっぱら、自らの安全確認に利用しているそうです。

巣にエサを運ぶ前に10mほど離れた電線に止まり、

周囲の様子を高い場所から注意深く伺っているのだとか。

なるほど、ただのんきに、朝だね~春だね~と

チュンチュンしているわけではなかった。

電柱に止まるスズメは都会サバイバルの真っ只中にあったのか。

一方、電線に止まるシジュウカラは声を遠くまで届け、

自分の姿を異性に見せるのが狙い。

円山でも春いちばん、ツピッ、ツピーッというさえずりが

よく聴こえてきますが、恋のアピールだったのね~。

バードウオッチングというと、

アウトドアルックに双眼鏡、なんてイメージがありますが、

マンションのベランダから目の前の電線を眺めているだけで、

鳥たちのさまざまな暮らしぶりを観察できるのですね~。

いいぞ、面白いぞ「電柱鳥類学」♪

著者の三上修氏のインタビュー記事によると、

電柱・電線が誕生したのは19世紀の中頃で日本中に張り巡らされるように

なったのは昭和以降、つまり150年も経っていないそうです。

しかも地中化が進む現在、仮に50年後になくなるとしたら、

「電線に止まっている鳥が見られるのは、たった200年。

見ておかないとソン」らしい。

長い長い鳥類の歴史の中でも、超レアな観察風景ってことか。

3億年前に進化が枝分かれした哺乳類と鳥類。

6600万年前に地球に巨大隕石が落下して絶滅した恐竜の生き残りが鳥。

昔、恐竜だった鳥が、人間が生み出した電線の上に止まっている光景は

そう考えると、200年の奇跡、とも言えるわけで。

気軽に旅に出るのが難しい今、

春めいたベランダから電線に止まる鳥たちを観察するのは

200年の奇跡を体感できる超レアなバードウオッチングツアー。

旅は、いつでも、どこへでも、自由にいける、よね。

(写真は)

春めく青空

大倉山のジャンプ台に

真っ白な冬の名残

鳥も人もゴキゲンな季節