鳥肉とウズラとただ酒

鳥肉と

ウズラと

ただ酒が

教えてくれる

はなむけの言葉

内山七兵衛さんも阿部豊後守忠秋さんも

令和の官僚と役人の「会食」には

さぞやあきれておられるのではなかろうか。

今朝の北海道新聞「卓上四季」を興味深く読みました。

平戸藩主松浦静山の随筆集「甲子夜話」の中で

「質朴の人なり」と記された御鷹匠頭の内山七兵衛は鶏肉が好物でしたが、

「常々鳥肉は嫌と稍して人前に於いて喫することなし」だったとか。

ホントは大好きなのにキライと言って人前では食べなかった・・・なぜ?

鷹場の責任者である御鷹匠頭には鷹が捕えた鳥を献上する者が

後を絶たなかったそうで、でも、受け取れば「賄賂」につながる。

それをきっぱり断るための、高潔なウソ、だったのです。

いいぞ!内山七兵衛さんに、アッパレ!

さらに江戸時代初期の老中阿部豊後守忠秋はウズラ飼育が趣味、

それを聞きつけた者が高価なウズラを贈ったところ、

「こんなことなら、もう飼わない!」と

大切に飼っていたすべてのウズラを放してしまったのだそうです。

潔し!阿部豊後守忠秋、やはり、アッパレ!

江戸時代において老中は、将軍、大老に次ぐナンバースリー。

今で言うと内閣の超重量級閣僚みたいな立場でありますから、

その権力にすりよってくる輩は少なくなかったはずですが、

姑息な賄賂に毅然とした、揺るぎない態度を貫いた阿部豊後守忠明さん、

もう、内山七兵衛さんと一緒に令和にタイムスリップしてきて、

度重なる「高額接待」問題に「喝っ!」入れてほしいものです。

おっと、現代でも、いらっしゃいました、骨のある御仁が。

昨日の朝刊の読者投稿欄に胸のすくようなお話が載っていました。

「伝統のはなむけ 『ただ酒飲むな』」

かつて勤めていた大学の卒業式で先輩のある教員は

毎年決まって、あるはなむけの言葉を卒業生に贈っていたそうです。

それは、「ただ酒は飲むな」。

当時、出版社からリベートをもらった教員が処分されたりしていて、

教職関係に進む卒業生が多かった大学だったこともあり、

学生はもちろん、大学教員への警告の意味もあったのではないかと。

その先輩教員が退職した後も他の教員が引き継ぎ、

卒業式には必ず伝統のはなむけの言葉が贈られたそうです。

「卒業おめでとう。諸君、ただ酒は飲むな」。

なんとシンプルで率直でわかりやすいはなむけだろうか。

国家公務員倫理法。

平成11年に施行されたこの法律は第1章から第6章に渡って、

国家公務員が国民全体の奉仕者であって、

その職務は国民から負託された公務であることに鑑み、

国家公務員の職務に係る倫理の保持に資するため必要な措置を講ずることにより、

職務の執行の公正さに対する国民の疑惑や不信を招くような行為の防止を図り、

もって公務に対する国民の信頼を確保することを目的として制定されています。

とにかく、こういう立派な法律があって、

ものすごく頭のいい人たちが、ちゃんと守るべきなのに、

いったい、どーゆーこと?と、理解できないニュースが次々と報じられる。

本質は、きっと、たった一言なんだと思うよ。

「ただ酒は飲むな」。

国民から負託された公務を全うするのに一番大切なこと。

鳥肉とウズラとただ酒が、知っている。

(写真は)

春が来た?

真っ青な今朝の空。

最高気温は4月中旬並みらしい。

青空が、うららか。