ひとつひとつの春
まだ・・・
こんなに・・・
帰れない・・・
活字の数字
ひとつひとつの春
「GDP年11.7%増」
「世界経済5.6%増予測」
「ワクチン一瓶7回接種注射器」
朝刊の見出しにはさまざまな数字が使われます。
さ~っと見出しだけ眺めて通り過ぎることもありますが、
今朝の朝刊の小さな小さな見出しの数字には
思わず目が、いや、心が立ち止まりました。
「行方不明なお2526人」
東日本大震災から明日11日で10年になるのを前に
警察庁が今月1日現在の被害状況をまとめたという記事です。
身元不明者を含む死者は12都道府県で1万5899人、
行方不明者は6県で2526人。
1万5899もの命が失われ、
10年経った今でも2526人の行方がわかっていない。
そのひとつひとつの人生を思うと、
朝刊をめくる手が、しばし、止まった。
いちまんごせんはっぴゃくきゅうじゅうきゅう
にせんごひゃくにじゅうろく
新聞に印刷された数字をそれぞれ音読すると、わずか3秒ほど。
3秒で、すませてはいけない。
ひとつひとつが、命なんだ。
この1年間で岩手と宮城の死者3人の身元が確認され、
死者数は変わらず、行方不明者が3人減ったそうです。
1万5899と2526。
新聞に印刷された数字のわけを知る。
3人の人が10年経って、ようやく家へ帰れたのですね。
おかえりなさい。
ただいま。
数字は、人生なんだ。
今も身元がわかっていないご遺体は岩手48人、宮城6人。
行方不明者は岩手1111人、宮城1215人、福島196人、
青森1人、茨城1人、千葉2人。
警察が月命日を中心に捜索を続けているそうです。
数字は、人生だ。
ひとつひとつの春に
ただ思いを寄せた朝。
(写真は)
1年前の我が家前の桜並木。
この1年間に
3人の人のただいまがあった。
今だ2526人が帰れない春。

