思い出し御座候
まあるい
ほかほか
甘くやさしく
なつかしく
思い出し御座候
「今、丸井の地下にいるけど、なんか買ってく?」
仕事帰りの夫からのおいしいカエルコールに即返答。
「んじゃ、御座候!」
私たちは北海道人だが、この単語でちゃんと通じる(笑)
「御座候」とは兵庫県姫路市発祥のいわゆる回転焼き。
あんこをたっぷり挟んで円形の型で焼いた熱々のあれ、です。
地域によって「今川焼」「大判焼き」「太鼓焼き」「甘太郎焼き」等々
さまざまな呼び方があるようですが、姫路・神戸では「御座候」。
関西人の甘党DNAに深く刻み込まれた「御座候」のお店が
なんと嬉しいことに札幌丸井今井に入っているのありまして、
自称北海道粒あん党党首、こしあん党党首の我が家ご用達なのだ。
リズムミカルに焼いている手仕事の様子を見たら最後(笑)、
おなかいっぱいでも買っちゃうのよねぇ。
で、昨日のおやつにも、いただきましたよ。
う~ん、いつも通り、粒が際立ったあんこが、絶品。
はふはふ、ぱくぱくしながら、御座候の栞を眺めるのが楽しみのひとつ。
毎回、お腹も心もあったか~くなるお話が紹介されているのです。
「まるい愛」。
創業70周年「御座候思い出エッセイ」企画に寄せられた、
御座候にまつわる温かな思い出が綴られていて、これが、沁みる。
昨日の栞に書かれていたエッセイも、鼻の奥が、ツンとした。
「御座候」が大好きだったおじいちゃんは、
筆者が高校に入る頃に認知症になり座敷で寝ている時間が長くなっていき、
伯母が当時では珍しいナースコールのようなブザーを買ってきました。
時々、よぼよぼした足取りで起きてきたおじいちゃんは、
そのブザーを手に持って、こう言ってたそうです。
「おい御座候が落ちとったでぇ」。
おじいちゃんの手の中にあるブザーは、
確かに御座候のように厚みのある丸い形をしていました。
今でも「ホカホカの御座候を食べる度におじいちゃんを思い出す」と
「まるい愛」の詰まったエッセイは結ばれていました。
年を重ね少しずつ色々な記憶がおぼろげになる中で
御座候の丸い形はしっかりおじいちゃんの記憶の箱にしまわれていたのだ。
元気だった頃は自分で電子レンジでチンして食べていた大好きな「御座候」、
あれ?こんなところに「落ちとったでぇ」と教えてくれたおじいちゃん。
好物を手に載せたにこにこ顔が、目に浮かぶようで、
ね?鼻の奥が、ツンとするでしょ。
亡き父も、大判焼きが大好きだった。
道産子の父は「大判焼き」って呼んでいた。
父が天国に行って10年が経つが、ん?・・・そういえば・・・?
元気だった頃に「御座候」を食べたことがあるだろうか?
丸井のお店はもうずいぶん前からあるような気がするが、
あんこ好きの父に「御座候」をお土産で買っていった記憶が、あまりない。
うわぁ~、ごめんね、こんなあんこたっぷりの御座候、
きっと大喜びで、母に叱られながら、2個はたいらげていただろうに。
なんで、持っていかなかったかな、御座候。
熱い焙じ茶淹れて、はふはふしながら、もっと色々な話をしたかったのにな。
墓に布団は着せられないけど、墓に御座候は持っていける。
春のお彼岸は「御座候」、だね。
今は亡き父を
ちょっと切なく
思い出し御座候。
(写真は)
あ、また食べるのに夢中で
写真撮り忘れてしまった(笑)
「御座候」の代打に
「新倉屋」のお汁粉♪

