ゼロの香り
広大な大地
明るい太陽
青々と茂る森
清らかな花々
ああゼロの香り
「失敗認め『ゼロ』めざせ」。
今朝の北海道新聞のオピニオン欄の見出しに目が留まりました。
著者は臨床感染症学の専門家、神戸大学教授の岩田健太郎氏です。
日本の感染対策について鋭い指摘をされていました。
日本は水際作戦で第1波を抑え込み、医療体制も整えたはずなのに、、
第2波から第3波で予想をはるかに超える感染増で医療現場は結局逼迫、
「作戦は失敗したのだ」と看破。コロナは勝手に減らない。締めると増え、
緩めると増える。「まるで人格を持っているかのように
いやらしい感染の増え方」とすると指摘します。
そんな「いやらしい」新型コロナを現在のところ抑えつけている、
中国、台湾、ニュージーランド、オーストラリアなどの「成功者」が希求するのは
「ゼロコロナ」だといいます。「『ウィズコロナ』なんて
甘いことを言っていてはこのパンデミックは解決しない」と断言、
「目指すべきはあくまでも『ゼロコロナ』」だと。
実は昨日、札幌市内のある場所で、
この「ゼロコロナ」の実践例を目の当たりにしました。
世界的に人気の「Aesop(イソップ)」の店舗です。
1987年にオーストラリアのメルボルンで創業したスキンケアブランドです。
研究を重ねた植物由来成分を中心に優れたケア製品を提供するイソップ。
合理的かつ持続可能なデザインが貫かれたストアやパッケージも素敵だし、
なによりストア全体に漂う自然な香りに癒されて、
お店のそばを通るとついつい引き寄せられてしまうのでした。
そのイソップの店舗が、このところ、
そう簡単にフラフラ(笑)入店できないのですよ。
開放的な店舗デザインながら、一度に入店できるのは2組まで。
先客があれば入り口前で距離を保ちながら待つしかないのです。
順番が来るまでカタログなどで下見をしておき、
入店後はトレーニングを受けた確かな商品知識を持つスタッフが
丁寧な接客をしてくれるのですが、まずは店舗に設置された蛇口で
イソップのハンドソープで丁寧に手洗い。スタッフが清潔なタオルを
一枚一枚、その都度渡してくれて至れり尽くせり。
その後シャンプーやボディミストやハンドクリームなどなど
要望に応じて色々香りやテクスチャーを試していくのですが、
シダーウッドやセージやミントやセーボリーなどなど
オーストラリアの雄大で豊かな森林を想起させる自然の香気を、
マスクを取って嗅ぐことは店内では絶対にNG!
スタッフが優しく「マスク越しでも香りは感じられるかと思います。
もしおわかりにならないようでしたら、一瞬、お鼻だけ出して
お試しいただけますか?」とアドヴァイスしてくれる。
品物を決めてお勘定を待つ間は出口に石のベンチでゆっくり待機、
ストア内で他のお客様と交差することはほぼない。
ふと入口を見れば、3組ほどのお客様が静かに並んでいる。
ビジネスだけ考えればたくさんお客を入れてたくさん売りたいだろうに、
密を避け、動線も配慮、手洗い徹底などなど、
クリニック並みの徹底した感染対策に感心してしまいました。
そうだよね、イソップ、本部はオーストラリア、だったもんね。
「ありがとうございました」とにこやかに商品を渡してくれたスタッフに
「あの、この感染対策はオーストラリアからの指示ですか?」と聞くと、
「はい、本部オーストラリアからの対策ルールを
全世界のストアが順守しているんです」とのこと。
さらに「でも、お客さんが並んでいると、焦りません?」と追加質問。
「いえいえ、皆さま、お優しくて、ご理解いただいて、
本当に嬉しいです」とのことでした。
へぇ~、なんだか嬉しくなってきました。
そうか、オーストラリア方式の「ゼロコロナ」対策、
意外に、日本でも、イケるんじゃない?
確かに、待つし、面倒といえば面倒くさいけれど(笑)、
「いやらしい」コロナに対抗するには忍耐が必要だと学べる。
札幌の街中で偶然体験したオーストラリア式ゼロコロナ対策。
広大な大地、明るい太陽、青々とした森に清らかな花々・・・
イソップのストアに漂う自然な香りに見送られて買い物完了。
ああ、これが、ゼロの香り。
(写真は)
お客様も並ばれていたので
イソップの店内写真はなし。
代わりにお買い物後にひと休みした
麻布茶房の「白玉ぜんざい」♪
静かに味わいました。

