新潟しりしり
一人で
二つのお椀
甘いのとしょっぱいのと
陰で支えてきたのは
新潟しりしり
2021年お正月2日の朝は美しい青空が広がりました。
元日からしんしんと静かに雪が降り積もった真っ白な街並みが
年が明けて心なしか明るくなった陽の光に照らされて
街中が笑っているような幸せな景色に見えてきます。
きっと、今年は、幸せな年になる。
感染拡大でいつもと違った年末年始ではありますが、
我が家のお雑煮は、いつもと変わらず、甘辛一人二椀方式(笑)
拍子木切りの根菜、塩鮭、鶏肉、三つ葉にイクラ、柚子を載せたおすまし仕立てと
ことこと手作りで炊いた小豆たっぷりのお汁粉を両方いただくのです。
新潟出身の夫の実家で長く伝えられてきた、甘辛一人二椀方式、
肝心の夫にそのルーツを尋ねても「昔からそうだった」というばかりで
それ以上の確固たる歴史的背景は謎のまま、作り続けて四半世紀、
北海道生まれの妻も謎の二椀方式がDNAに転写されつつあります(笑)
「う~ん、安定の味」「もう完璧だね」と2人で自画自賛しながら
大根、京人参、海老芋、ごぼう、塩鮭、鶏肉など具沢山のお雑煮に舌鼓、
しょっぱいのを楽しんだら、お隣の甘い小豆汁粉で気分を変えて、
甘いの、しょっぱいの、甘いの、しょっぱいののエンドレス。
お餅が一番のご馳走だった米どころのお正月文化ですねぇ。
う~ん、だがしかし、やっぱり気になる、甘辛一人二椀は我が家だけ?
長年の疑問をほっておけずにお正月から色々検索してみると
新潟市のHPに「お正月の定番 餅雑煮」なるぺージを発見しました。
ふむふむ、なるほど、おおお~、我が家だけではなかった。
新潟のお正月はやはりお餅が主役のようで、
昔はおせち料理もなく、餅雑煮とのっぺくらいだったそうです。
餅雑煮のお餅は焼かずに煮る「煮餅」が主流、我が家ももちろん煮餅。
餅が見えないほど具沢山にするのが新潟のお雑煮の特徴で
「あんこもち」や「きなこもち」も一緒に食べる、と書かれてありました。
桜井家だけの不思議な風習ではなかったのだ(笑)
HPに載っていたレシピでは大根、人参、ごぼう、椎茸、こんにゃく、油揚げ、
蒲鉾、塩鮭などを醤油仕立てで作るもので、これも我が家と似ています。
さらに興味深かったのが根菜類の切り方。
今ではすべて拍子木に切りそろえますが、むかしは「こうとう」だったとか。
ん?んんん?「こうとう」・・・・?
「こうとうつき」という木の道具で大根を薄く短冊状にスライスしたものだそう。
今のスライサーみたいな道具らしいのですが、HPのイラストを見ると、
おおお~、これは・・・!沖縄のしりしり器によく似ています。
沖縄の伝統的な家庭料理「にんじんシリシリ」。
人参を粗めに削る専用の道具がしりしり器で我が家にもありますが、
新潟の「こうとうつき」とそっくり。
昔は年末に3ヶ日分の大根をまとめて「こうとうつき」で作っておいたそうです。
正月をゆっくり過ごすための暮らしの知恵ですね。
思わぬところで、新潟と沖縄の共通性を発見。
一人二椀方式を支えてきたのは「こうとうつき」=新潟しりしりだった。
今でも新潟で手に入るのかな?「こうとうつき」。
新潟しりしりでついた大根入りの新潟雑煮もおいしそう。
おいしい郷土色の陰には
必ず影の立役者がいる。
雪国も南の島にも似たような「しりしり器」があった。
お正月から、なんだか嬉しい発見だった。
(写真は)
我が家&新潟伝統の
一人二椀方式のお雑煮。
根菜&塩鮭の具沢山餅雑煮と
北海道産小豆のお汁粉♪

