天保トレンド

お上の命令とて

ただでは従わない

こちとら江戸っ子

安くておいしい

天保トレンド

昨日の鍋食材は、今日のサラダに。

鶏つくね鍋に入れた水菜が残っていたので、

レタスやブロッコリー、ミニトマト、茹で卵とともにサラダに変身・

すり鉢でゴリゴリ胡麻すり(笑)自家製ドレッシングもちゃちゃっと作り、

最後に閃いた、そうだ、冷凍庫に、アレがあった。

油揚げ。薄い京揚げをストックしてあったので、カリッと香ばしく焼いて、

サクサク細い短冊切りにして、テキトーサラダにトッピング。

水菜やレタスのシャキシャキ感とクリスピーナなお揚げさんに

香ばしい自家製胡麻ドレ、合うのよねぇ、

久しぶりに作ったけど、やっぱ美味い。

で、しみじみ思います。やっぱり、油揚げはエライ。

近頃は大豆ミートやグルテンミートなど、

お肉じゃないお肉が注目されていますが、

日本には、昔っから、めっちゃ美味しい、お肉に負けない食材がある。

ちょっと炙ってサラダにトッピングしただけで、

ベーコンやローストチキンに負けないご馳走感を醸し出す。

手軽で保存がきいて栄養価高くカロリー抑えめ、しかもお財布に優しい。

お料理の名脇役でもあり、時には主役をしのぐ存在感を持つ油揚げは

世界に自慢したい日本代表の優秀蛋白源であります。

中国から伝わった豆腐を油で揚げた油揚げは

室町時代のお坊さんが精進料理として生み出したとも

長崎の南蛮料理てんぷらの一つとして生まれたとも言われますが、

江戸の初期まで、当時の油は高級品、行灯の燃料として使われており、

お料理の材料として庶民の口に入ることはめったにありませんでした。

やがて江戸の中期になって油の生産量が増加し、

お正月やお盆にしか食べられなかった油揚げは日持ちの良さもあって

庶民の間で急速に広まっていき、色々なお料理が生まれ、

名古屋発祥のいなり寿司なども江戸へ伝えられていきます。

そのいなり寿司が江戸で一大ブームとなるきっかけとなったが

1830~1843年に渡る「天保の改革」。

財政難を立て直すため、庶民に倹約質素を求めた幕府は、

江戸の花形グルメ「握り寿司」などを贅沢品として禁止、

握り寿司を発明した華屋与兵衛など有名寿司職人は

なんと手錠軟禁の罪に処せられてしまいます。

しかし、お上の命令にただ黙って従わないのが、江戸っ子。

握りがダメなら、こっちでどうだ、とばかり、

江戸っ子が大好きな醤油都と当時普及し始めた砂糖を使った

甘辛味のいなり寿司が、それこそ、バズッた(笑)のです。

いなり寿司一大ブームが江戸で巻き起こったのは1845年から1846年、

天保の改革の締め付け直後のことですから、まさに天保トレンド。

お上の締め付けもなんのその、江戸っ子の逞しさと

食いしん坊精神を支えたのが、名脇役にして控えめな主役、油揚げ。

GoToしていいのか悪いのか、宙ぶらりんな政策に

令和の庶民も右往左往、迷い戸惑いがちでありますが、

江戸っ子のたくましさに、なんだか励まされるなぁ。

油揚げトッピングサラダをシャキシャキ食べながら、

ふと江戸時代に思いを馳せる師走なのでした。

(写真は)

カリカリ油揚げサラダ。

カリカリベーコンにも

負けないよ♪

簡単お手軽♪