生まれてはじめて
昔々
トランプ遊びは
したけれど
まさかまさかの
生まれたはじめての味
週末、久しぶりにお気に入りのイタリアンレストランへ。
落ち着いた雰囲気と抜群に美味しいお料理で、
ついつい「人に教えたくなる隠れ家」、
「RICCI CUCCINA ITALIANA」です。
いつも、まず楽しみにしているのが「前菜たっぷり盛り合わせ」。
この「たっぷり」が想像以上にたっぷりで頬が緩んじゃうのですよ。
しかもその日の前菜メニューを眺めていて「あ~コレ美味しそう!」と呟くと
スタッフが「じゃあ、それを入れて盛り合わせますね」と言ってくれるの。
食いしん坊には天国のようなレストラン。
「お待たせしました、本日の前菜たっぷり盛り合わせでございます」
うわぁ~!テーブルが一気に華やぎました。
アラビア社のオリーブ柄のふっくらしたオーバル皿に
まさに文字通り「たっぷり」惜しげなく盛られた前菜の数々。
イタリア産サラミとグリーン野菜の盛り合わせ、鰯の香草パン粉焼き。
ひらめのカルパッチョ、色々野菜のピクルスに紫キャベツのマリネ、
そして「これ美味しそう!」のリクエストに応えてくれた、
イタリア産プロシュートと京都産イチジクと、
メニューに載っていた?ある驚愕の一品・・・!
「こちら豚のしっぽの詰め物でございます。タルタルでどうぞ」
へっ?アタシの空耳?今、スタッフのお兄さん、なんて言った?
ま・・・まさかの・・・豚のしっぽ・・・?
あの・・・くるんと丸まった、豚さんの尻尾のしっぽ???
う~む・・・こんがり黄金色にオーブン焼きされたフォルムは・・・
確かに・・・先に向かって細くなっていて・・・しっぽだ(笑)
いやはや、それなりに長く生きてきましたが、
豚のしっぽは、生まれてはじめて口にします。
お皿の隅に横たわる(笑)10cmほどの先細りした物体(笑)に
そっとナイフを入れる・・・ぷるんとした手応えののち、すっと刃が入る。
表面の皮がこんがり、香草フィリングが詰められたそれを・・・ぱくり。
うっひょ~、美味い!
香ばしく焼かれた皮とほろほろほぐれるお肉の繊維に、
とろとろぷるぷるのコラーゲンがまとわりつき、実に魅惑的な味がする。
どこかで・・・これと似たようなものを食べた記憶が・・・?
そうだ!沖縄のおでんのティビチ(豚足)だ!
豚肉好きを虜にするかすかに野趣味を感じさせるワイルドな旨さが似ている。
しかし、どすんと存在感のある豚足の時はあまり感じなかったのですが、
くるんと丸まった可愛いビジュアルイメージの豚のしっぽ、
なんだか、ちょっと可哀そうな気がしてきてしまう。
しっぽまで食べてしまってごめんね、でも美味しいよ、と
心の中でそと詫びながら、唇を脂とコラーゲンでテカテカさせながら、
冷え冷えのスプマンテを喉に流し込む。
それにしても、豚のしっぽ、イタリアではよく食べるのだろうか?
折よく目が合った川崎オーナシェフにお声かけしてみましたよ。
「豚のしっぽって、生まれてはじめて食べました」
すると、いたずらっぽい笑顔でシェフがこう返答。
「ボクも、はじめて料理しました(笑)」
そのまま、いつものように軽いフッットワークで厨房へ戻ってしまったので、
イタリア料理にあるのか、どこかの地方の名物料理なのか、
詳細はわかりませんでしたが、
作る人、食べる人、生まれてはじめての、豚のしっぽ、だったことは判明した(笑)
「子供の頃、トランプ遊びにあったよねぇ~、豚のしっぽ」
「そうそう、あったあった、どんなルールだっけ?」
「ぐるっとしっぽみたいにカード並べてさ」懐かしい話で盛り上がる。
美味しいお料理は、お喋りの花を満開にしてくれる。
ありがとう。
豚のしっぽさん。
またひとつ、味の記憶に
新しいの一頁が加わった。
(写真は)
ある週末の
「前菜たっぷり盛りあわせ」
左端上段が、豚のしっぽの詰め物
生まれてはじめて~♪

